不破凍希 〜フバトウキ〜
「あ~ 不破さん。不破凍希さん」
事務所の廊下を歩いていると、川野プロジェクトのアイドルである大久保桂馬に気だるげな声で呼び止められた。
「ん? 何か用事?」
「もう少し早く話せればよかったんですけど、クリスマスライブの日は空いてますか?」
「合同ユニットの話? 今のところフリーだけど」
「良かった~。もし良かったら俺と、あと引きこもりの女子が1人居るんですけど、ユニットを組んでもらえませんか?」
「構わないけど、どうしてプロデューサーを通さずに直接話を持ってきたんだ?」
プロデューサーから直接話をしに来るとしても事前に話を通して貰う方が何かと楽なはずなのに。
「あ~っと、隠す必要はないので言っちゃいますけど、あいつが凍希さんの大ファンで」
あいつというのは恐らく今この場にいないもう一人のユニットメンバーである女の子の事なのだろう。
「誰に見せるって訳じゃないですけど、サプライズを仕掛けたかったので出来るだけ情報漏れを防ごうと思いまして」
「へぇ、サプライズか。嫌いじゃないよ、そう言うの。俺も協力させてもらうよ」
番組の企画でもないのにわざわざこんなことを計画するなんて桂馬くんは余程引きこもりの女の子の事を好いているのだろう。
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