遠山秀信 〜トオヤマヒデノブ〜

「さむっ、さむっ、さむっ」


 仕事が休みだったので学校からそのまま自宅へ帰ってきた僕はすぐに制服から部屋着に着替えて布団にもぐり込んだ。


「暖っけぇ」


 真冬のような寒さだった外に比べると布団の中は言葉では言い表せないほど暖かく、僕は眠気に誘われた。


「って、寝ている場合じゃないんだった」


 僕は目を開けつつも布団から出ずに携帯電話を手に取って僕が休みでも相変わらず仕事をしているプロデューサーに電話をした。


「もしもし、真矢さん?」


「その声、遠山さんですね? どうしました?」


「明日のレッスンについて1時間くらい時間を後ろにずらしてもらいたくて」


「急用ですか?」


「はい、生徒会主催のクリスマス会の準備があって。当日は参加できないので、せめて準備くらいは生徒会役員として責任を持って努めたいので」


「分かりました。スケジュールを調整しておきます。調整後のスケジュールはメールで報告しますね」


「ありがとうございます。失礼します」


 電話を切った僕は新曲の『ありがとうを言わせて』を流しながら眠った。

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