小暮未可子 〜コグレミカコ〜
役者という仕事を始めてから私は人を観察するクセが付き始めました。
中でも川野プロジェクトの『一人和水プロダクション』こと島村優姫ちゃんに関してはかれこれ2年近く観察している女の子でした。
「あっ! 未可子さん。お疲れ様です」
「優姫ちゃんお疲れ。今日はこれからボイスレッスンだったよね?」
私は観察を始めてから2週間程で優姫ちゃんと仲良くなり、今では本人同意の上で観察させて貰ったり、大人気でもうすぐ第2弾が発売になるカバーアルバムのレコーディングに見学、そしてこっそり参加させて貰ったりしてより近くでより細かく観察できるようになりました。
「未可子さんもこれから別館でお仕事でしたよね?」
「最近は優姫ちゃんのおかげでドラマの仕事が増えて観察の時間が減って大変だよ」
「それは言い事じゃないですか」
「まぁ、そうだけどね」
「小暮さん」
優姫ちゃんともう少しお話をしようと思っていると少し前を歩いていたマネージャーさんが私を呼びました。
「引き留めてすいませんでした。お仕事頑張ってください」
「うん、頑張る。優姫ちゃんもレッスン頑張って」
「はい。後で、メールします」
優姫ちゃんと別れてマネージャーさんのもとに駆け寄るとマネージャーさんは不思議そうにこう聞いてきました。
「何故先ほどのお2人は小暮さんが島村さんの声で、島村さんが小暮さんの声でお話をなされていたのでしょうか?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます