矢崎風 〜ヤサキフウ〜

 今回が夏フェス初参加となる川野プロジェクト2016年度オーディション組とスカウト組の浮本、海音、枝根、遠藤、御雛、輝、桜木、桜野、天風、竹林、枡田(駿)、そして矢崎風は和水プロダクションの全アイドルが一堂に会する光景を見て呆気に取られていた。


「毎年恒例だけど初参加組はこれを見たらびっくりするよね」


「す、すごいです。テレビで見たことある人たちがいっぱいです」


「風くんもすぐにこっち側に立つようになるんだよ。って、まだあまりテレビに出ていない僕が偉そうに言えないけど」


 プロダクションでの全体練習ではプロジェクトの初参加組の指導をすることになった土居侑は何年経っても慣れない光景に驚いていることを悟らせないように演技をしながらそう言った。


「練習が始まる前に確認しておくけど、エンディングでの川野プロジェクトの動きとしては、第1ステージのAブロックから観客席の周りを歩いて第1ステージのFブロックから第3ステージのEブロックに向かう。Eブロックから第3ステージAブロックまで行ったら第2ステージCブロックから周ってBブロックに。最後は第1ステージに戻る。って、口で説明してもわからないよね」


「つまり第1、第3、第2の順に行くと覚えておけば良いんでしょうか?」


「そうだね、今日は風くんが言った順番で覚えてくれれば良いよ」


 侑の確認が終わるとしばらくして、姫路、川野、真矢の和水プロダクション三大プロデューサーがボイストレーナーとしてやって来た。

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