枡田駿 〜マスダシュン〜
今年の5月に行われた新人発掘オーディションで和水プロダクションのアイドルになった枡田駿にとって今回の夏フェスはアイドルになって初めてのイベントだった。
「はぁ、はぁ」
「駿くん、そろそろ限界だろ?」
「いえ、まだ、あと1回くらいは出来ます」
夏フェスの期間限定で川野プロジェクトのリーダーを務める土居侑は駿にタオルを投げ込もうとしたが受け取りを拒否されてしまった。
「皆も言っているし、皆にも言っているけど頑張り過ぎは良くないよ」
「僕はこれが初めてのイベントなんです。葵くんや風くんみたいにバックダンサーをしたりテレビでソロ曲を歌ったりした事も無いんです。だからこの事務所で誰よりも頑張らないといけない。あと1回、1回だけやったら絶対に休みますから」
恐らく夏フェスに向けて本気になっている全アイドルの中で最も本気な駿の熱意を特等席で見た優は何を言われても投げるつもりでいたタオルをグッと握った。
「あと1回だけだよ」
「はい!」
侑にそう言われ残り1回の練習をした駿は本気の思いを口にした事で自分の中で固まっていた何かが解れ今までで最高の状態で何一つ文句のない練習することが出来た。
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