夏祭朔 〜ナツマツリサク〜



 夏祭朔と天道夏の2人は事務所4階にある小会議室を借りて夏フェスに関する話し合いをしていた。


「この中から3曲か」


 夏は机に置かれたいくつもの曲名が書かれた紙を険しい顔で見つめながらそう言った。


「夏、今年は随分と積極的だね」


「そうでもないと思うけど」


「イベントのセットリストは毎回俺に丸投げしていただろう?」


「ま、まぁ、そんな事もあったかもな」


 夏は適当にそう返すと考えに考え抜いた3曲に蛍光ペンで線を引いた。


「ほう『Clause Out』に『Standup Day』と来てラストに『Max・Heart』か」


「悪くないだろ?」


「あぁ、悪くない。悪くない」


 が、朔はたった一つだけ気になる事があった。


「でも、これだと少しばかり時間が短くならないか?」


 夏の選んだ曲はどれも夏フェスに合う曲ではあったが、3曲とも2人のユニット『サーヴァント』の曲の中では短い部類の曲だった。


「トークの時間を考えれば十分だろ」


 朔は少し気になったが、わざわざ聞く様な事ではなかった為、夏の選曲に賛成した。

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