終館未来 〜オワリダテミライ〜
開校記念日からの3連休に加えてアイドルとしての仕事で4日振りに登校した終館未来は昼休みに入るとすぐ同じプロジェクトに所属する同級生、岩谷秋良のクラスへと向かった。
「秋良!」
未来がそう言って教室前から声を掛けると呼ばれた本人よりもそのクラスメイト達が先に反応し、ただでさえ人気のアイドルが1人いるというのにも関わらず2人になった状況にざわつき始めた。
「未来、おはよう。わざわざ教室まで来てどうしたの?」
周りがざわついていても関係なく落ち着いた様子でそう言った秋良に対し、未来は目を見開いて言った。
「金曜日に廻さんのラジオに出たって本当?」
初野廻のラジオというのは毎週金曜日の昼に廻の通う高校で放送されている校内放送であり、本来は廻の高校に通っている人しか知らないはずだが、川野プロジェクトのメンバーは廻を通してその話を聞いていた。中でも廻の大ファンである未来は親友の秋良が先週出演したと聞いていてもたってもいられなくなっていた。
「いいな、俺も出たかった」
「プロデューサーに相談してみたら? 勉学優先って言われるかもしれないけど」
「それで、廻さんとどんな話をしたの?」
少なくとも近いうちには叶えられない夢から一度目を逸らした未来は昼休みが終わるまで秋良が校内放送で廻とどのような話をしたのかを事細かに聞き出した。
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