園村結花 〜ソノムラユカ〜
高校3年生となってから早3週間が経った園村結花は6時間の授業が終わると早足で教室を後にして、校門前で待機していた事務所の車に乗り込んだ。
「ごめん。遅れた」
当たり前のように助手席に座った結花は運転手である川野流にそう言ってシートベルトを着用した。
「台本は覚えてきたか?」
「大丈夫、予習してきたから」
流が過度に心配する必要が無いほど仕事熱心な結花はその質問は愚問であると言わんばかりにそう答えた。
「じゃあ別に気にするまでも無いと思うが、受験勉強というか、普段の勉強は大丈夫か?」
自分で言った通り気にするまでも無い事ではあったが、予習云々という話しをしている時にふとおバカアイドルという不名誉な称号を手にした高校2年生の某アイドルの顔が思い浮かんだ流はそんな質問を投げかけた。
「大丈夫。周りに頭の良い大人がいるから何を訊いてもわかりやすく教えてくれるし、聞きにくい事は志奈や祝音に教えてもらってるから」
「どうして俺のプロジェクトは結花や志奈たちみたいな頭の良い奴が多いのに美月の学力は伸びねぇんだ?」
そんな話しをうだうだと続けている間に車は結花がレギュラーとして出演している高校生向け教育番組の収録スタジオ前に辿り着いていた。
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