国宮美佳 〜クニミヤミカ〜

今をときめく高校生アイドルユニット『フ☆レ☆ン☆ド』のくにみーこと国宮美佳は同メンバーのれんちゃんこと熊野恋歌、イッキこと琴花樹と共にファストフード店を訪れていた。


「えぇ〜、うん、うん。あぁ、はいはい。なるほど了解。2人にも伝えとくね〜」


「イッキ、今の電話ってプロちゃん?」


「ん、そだよ。なんかね、rainbowのレッスンが長引いているとかでまだ迎えに来れないって」


「そっか……」


美佳がその報告を聞いて寂しそうな顔をすると常日頃から美佳をいじって遊ぶのが三度の飯より好きな恋歌と樹はニヤリと笑って言った。


「おやおやぁ? もしかしてぇ、くにみーはプロさんが遅くなるってだけでそんな風に寂しそうな顔をするんですかぁ?」


「それとも、イッキがプロデューサーと電話していたから嫉妬した?」


「違うからね。イッキに嫉妬なんてしてないし、顔だって少し気を抜いただけで、寂しそうな顔なんてしてないからね。本当だからね」


美佳が顔を真っ赤にしてそう反論していると美佳の携帯に着信が入った。


「ちょっとゴメン。もしもし……プ、プロちゃん? うん、まだいつもの店にいる。イッキもれんちゃんも一緒。うん、今から来るの? 15分位で着くのね。了解、了解。そうだ! 飲み物いる? コーヒー? わかった。領収書を貰えって? いいよ、たまにはおごるから。これでも人気アイドルだよ。うん、来るときは気をつけてね」


嬉しそうな表情で電話をしている美佳を見た2人はその後、美佳に人生で最も長い15分を味合わせた。

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