城戸寧々 〜キドネネ〜
「あのぉ、プロデューサー」
オレンジ色に輝く夕陽が事務所の窓から差し込む頃、プロデューサールームに1人の客人がやって来た。
「寧々か。どうした?」
「どうした? じゃないですよぉ。実里姉さんと彩香姉さんはレッスンの時も適当ですしぃ、唯姐さんは可愛い振り付けの時に顔真っ赤にして逃げ出すしぃ、飾利姉さんはいつもの調子ですしぃ。寧々には今度のユニットで上手くやっていける気がしないですけどぉ」
「寧々には負担をかける面子なのは否定しないが、この負担をかけても上手くやっていけるのは寧々くらいだろ?」
ぼんやりとした理由の信頼に頭を傾げる寧々の頭に流はそっと手を置いた。
「俺が信じて組んだ4人だ。寧々は5人目として個性豊かな4人を引っ張ってやってくれ。なんて、年齢も芸歴もユニット最年少に頼むことじゃないけどな」
「まぁ、プロデューサーがそんなに信頼してくれるなら寧々も最年少なりに頑張りますよぉ」
寧々は頭の上にある流の手を振りほどき、胸を張ってそう宣言した。
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