菊水唯 〜キクスイユイ〜
「あぁ⁉︎ 何だよコレは⁉︎」
5月から正式に活動が開始となるユニットの一員である菊水唯はプロデューサー兼マネージャーの川野流が渡してきた衣装を見るなりそう叫んだ。
「何って、今説明しただろ。 ユニット用の衣装だ。細かいところの修正をして今月末には出来上がるらしいが」
「細かい修正をするんじゃなくて全体的に作り直せよ! オレはこんなフリフリの衣装で人前には立たねぇぞ」
「そんな言い訳が通用する訳ないだろ。でも、フリルは少し唯のイメージに合わないと思ったのも確かだからデザイナーには初期案の時点で伝えたんだが、一応初期案のイメージで衣装を作ってくれたみたいだな。ちなみに、これが正式デザインだ」
流はそう言うと2日前に届いたばかりの正式なデザイン画を唯に渡した。
「フリルがまだ残ってるのは気に食わねぇけど、スカートがショートパンツになってるだけマシか」
「唯、わかっていると思うが」
「必ずしもデザイン画通りの衣装が出来るとは限らないだろ? んな事は言われなくてもわかってるよ。今回はプロデューサーがオレに気を利かせてフリルを減らすように頼んでみてくれたみてぇだから多少フリルが多くても着てやるよ」
「なんだ? デレ期か?」
「違げぇよ!」
唯は恥ずかしそうにそう叫ぶと、流にデザイン画を押し付けるように返却してプロデューサールームを出て行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます