魔法って何だろう・5/7

◇物質はエネルギーである。

 ミクロな世界の話であるが、ミクロを積み上げてマクロができあがることから、極論として物質とエネルギーをイコールで結ぶことができる。


 しかしながら、エネルギーは物質ではない。

 エネルギーであれば、流動的に扱うことができ、任意の形を持つこともできよう。


◇では、エネルギーをたらしめているものはなんだろうか。


◇ここで、たとえ話をしよう。


 教室にうわさ話をしながら生徒A・Bが入ってくる。

 もともと教室にいた生徒Cは、あわててロッカーに隠れたとしよう。

 A,Bは心ゆくまでふたりしか知らない秘密について語り合っている。

 Cは驚きつつも、出るに出られない。

 AもBも普段からは想像も出来ないほどの秘密だ。

 そのうち、A,BはCに気付かないまま去っていく。


 Cはたまたまその日が最後の登校であり、A,Bの本心を誰に打ち明けることなく、転校していった。


 ……さて、A,Bの秘密は、漏れた事になるのだろうか?


 Cが転校後、A,Bの秘密を漏らす機会がなく、そのまま忘れたのであれば、秘密は漏れていないも同じである。

 当のA,Bがその事実を知らないのだから、『漏れていない』と同じだと感がえられる。


 同様に転校後、個人の特定が出来ない話としてCが話した場合はどうだろう。

 A,Bは巡り巡って「そんな人がいる」と言う話を聞くかも知れない。

 しかし、彼らの秘密が漏れたとは思わないだろう。

 疑うかも知れないが、Cが聞いていたとは思わないはずだ。

 この場合も『A,Bの個人としての秘密は漏れていない』と同様だとおもわれる。


 逆に、個人が特定出来る形でCが漏らし、A,Bがそれを知ったならば。

 それは、『誰かに秘密が漏れ、情報を漏らされた』と考えるだろう。


 つまり、『秘密が漏れたか否か』は、だれが、どのように認識するか、に依存するのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る