小説とコミュニケーション研修

◇仕事でですね。研修を受けさせられたりしたわけですよ。

うちの会社は『人材育成』に一時期凄くうるさくて(今は予算の関係でげふんごふん)

ビジネススキルな研修がたんまりあったわけです。


うち一つ、特徴的なのが『コミュニケーション』


当たり前じゃん! と言い切る人と

凄く為になった……! と心酔する人と両極なのが面白い研修。


おいらの場合は『当たり前だけど、整理できた』でしたかね。


◇当たり前なんです。凄く。


相手のことを見る。メモを取る。

そんな反応を見て『話しやすく』なる。


常日頃、日常やっていることですから。


◇おいらの場合で、『整理』が出来たのは、バーバルと、ノンバーバルの知識ですかね。


バーバルは言語的な。

ノンバーバルは非言語です。


表情、身体の向き、頷き、目線、手足の動き。声の速さ、高さ、諸々。

言葉(情報)によらない表現がノンバーバル。

で。

会話をしているときの8~9割の情報がノンバーバルによるものだそうです。


簡単な例は(何処で見たんだっけなー。『嵐になるまで待って』漫画版か。)


 食べちゃダメ


笑って言うのと、冷たく言うのと、怒って言うのと、もちろん意味違いますよね。

笑って言われていると思うのと、鋭く放たれるのと、低い声で言われるのも違いますよね。


コレを意図してやりましょう。こういうことを意図して、『ちゃんと聞いてますよ』と態度で示しましょう。

んで、相手のこともちゃんと見ましょう。

という内容が。

コミュニケーションの研修だったりします。

簡単には。



◇で。ここから小説の話。


……もちろん。応用できますよね?


おいらは三人称で一人称的に書くことが多いです。

文体は三人称ですが、視点固定って形です。


本当は綺麗な三人称にしたいのですが、

 ・視点がぶれると読み辛い。

 ・ト書きみたい

と言われて現在は視点固定(or 2~3人固定)にしています。


視点が固定されていると、出来ないことと出来ることとやりたいことが出てきます。


1.出来ないこと。


相手の思っていることがわかりません。

相手の思っていること、感情、行動の理由は全て視点を持っている人の『推測』になります。

ただし、『笑っている』とか『怒った声』とかは、社会的な一般知識として扱います。

なので。

視点がA子さんの場合、


 B子は笑った。しかし、B子は悲しんでいた。


とは書けません。


 B子は笑ったようだった。しかし、A子にはそれが泣き顔に見えた。


とかになります。

B子の行動、様子から、A子がどう思うか、どう判断するかを書くわけです。



2.出来ること


もちろん、A子本人の気持ち、状況は余すことなく書けます。書きます。

そう言う意味で主人公の気持ち、状況を素直に追えるはず。

正確には。ここで主人公と共感させておかないと、物語が面白くも何ともなくなっちゃうわけでして!

(経験談)



3.やってみたいこと


書けるのはB子の行動とA子の解釈だけ。

するとですね。

A子が思ったことと真実のB子の気持ちが違うかもしれないのですよ!


①B子はA子から目をそらし、怒ってまな板へ向かった。

A子が何度呼んでも振り返らなかった。


②B子はA子から目をそらし、まな板へ向かった。

A子が何度呼んでも振り返らなかった。怒ったのだろうか。


小説における文字は絶対です。事実として書けば、事実として読者に伝わります。

①では、B子は怒ったことが決定です。

それでは、②では?


②ではB子は怒ったかどうかわかりません。

あくまでもA子が『怒ってしまったかもしれない』と思い込むだけです。

実は、②では、B子は怒ったのではなく、持病があることを隠して後ろめたさに目をそらし、

A子が呼びかけても、振り返ることが出来なかった、かもしれないのです。



というね。仕掛けをデスね。


上手く使いたいと常日頃切に思っているわけで。



◇上手い人は、こういう手法を意識せず自然~に使います。

もちろん、計算する人は綿密に計算しているに違いない、と思っています。

(計算と天然を見分けられるほどスキルは無いッ!)


態度だけではなく、声、しゃべり方、歩き方、季節的な『雰囲気』、

『社会的常識』、『社会的非常識』、年齢、性別、社会的ステータス、

差別意識、なんて者もあるかも。


余すことなく使ってきます。

そしてそれは読み手と共有できることが前提です。




え、私?



うまく使えないから知識入れて計算し……………「わからない。共感出来ない」でばっさり?(実話)




◇センスと文章力、落ちてませんか……?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る