地下移住計画

◇SFではよく導入で『地球の資源を掘りつくし宇宙へ出ていく』と語られたりする。

ふと思ってみた。地上が汚染されても掘りつくした大空洞は残るんじゃないか? 

ほらあれ、ヤマトのように。

(地上が放射能に汚染され、地球に残った人々は地下へ逃げたんではなかったか?(うろ覚え))


◇じゃぁ、地下で暮らすための条件を考えてみよう。






◇とりあえず、酸素は必要だから、換気装置はないといかん。

落盤事故でもこの辺は重要。

地上が汚染されている名目であるなら、フィルタ完備か、そもそも地底での変換が可能でないとならない。

植物を繁茂させることはスペース的にも厳しいだろう。

二酸化炭素を安価に低エネルギーで分解させることが出来れば手っ取り早いが。

ブレークスルーに期待か?

細菌なんかを有効活用できんかね、と思うけど、ナマモノは明るくないので、フィクション的にも利用大変。


◇温度の問題も気になってくる。

地下数百-数千メートルはマントルに近くなる分温度が上がる。

問題ない条件、もしくは温度が上がらない条件が必要。

いやはや鉱山労働者ってすごい…。40℃越え、湿度もかなり高い過酷な場所での作業と聞く。

汗が蒸発しないと身体に温度が溜まる。あっという間に熱中症だ。


◇もっと地表に近くても、太陽光なしで長期間生きられるか問題も当然ある。

紫外線がないとビタミンDが生成されないからね。

食物から取るにしても、その食物を作る過程でやっぱり紫外線が必要だったりする。お日様偉大。

栄養素が欠けると、死に直結はしなくともいろいろなことが少しずつ変わるはずだ。

体内細菌環境が変わることもあれば、その栄養素がなくとも問題ない状態に適応することもある。


日本人は欧米系の人たちに比べて腸が長いそうだ。

穀物を中心にした食生活の結果である。(栄養素ではないが)


あ、腸内細菌の分布は1週間くらいで変わる気がする。

いろいろ変わってきて面白いわー(自分で実験(?)した感想)


◇どちらにしろ、食物問題は超重要課題。

陽光がない以上、光合成ができない。

ライト照射をベースにして工場化という案もあるが、ある一定人数を支えるのに、

どれだけの設備が必要になるんだろう。あ、SFにしなくても同じか。


◇ライト照射による植物栽培のアイディアがあるとしても、エネルギー問題もあるね。

地下生活の前提をどこに置くかで変わるところだけど、

『掘りつくした』をベースにする場合、『エネルギーが潤沢』という設定は無理がある。

まぁ、冷静に考えれば、『現代社会/現生人類』をベースにしたら無理の一言なわけだが。

エネルギー社会は続くだろうし。



◇さてはて。

そろそろフィクションを考えてみよう。


◇エネルギー問題解決のために、ブレークスルーを起こそう。

残りかすから搾り取れるようになれば『細々と生きていける程度』のエネルギーが手に入る。

地熱問題は地熱発電で解決できないかな。無理かな。ココにもテクノロジーを導入しよう。

ちまっと以前思ったのが『ある一定温度で光を発する素子』

まぁ、無理だけどね。

熱を吸収して光を出す。この熱が40度とかだと、使い勝手がよさそう。

一定以上になると光るんだぜ! ぴっかぴかだぜ!

で、温度を吸収ってことは、それ以上の温度上昇が抑えられるんだぜ!


おいといて。


◇省エネ下の「明かり」はどうなるか。たとえばLEDは省電力だけど波長が限られるから、

つまり、再現できる色数が限られる。

彼らが太陽光下の世界を見たら色鮮やかで驚くだろう。

さすがに色覚細胞退化までは行くまい。

前述の熱光変換素子の応用として、地熱の応用で、ドームの壁がやんわりと明るくても面白いかも。


◇食料は前述のとおり工場生産が無難だろう。

土地もないし、地植えしても養分がない。それとも石炭層辺りにぶちあてるか?

随分表層だな。

タンパク質合成とかできるようなればいいね。

虫はそんなことなくとも生きていけるか。虫の栽培?

虫は適応力が半端ないからなぁ。…まさかの昆虫食か?(汗)

は、はんばーぐにしてしまえ。ミンチならわからん。


◇上下水システムも考えなければ。循環というシステムは人工的に用意しないと無理だろう。

地底湖にぶつかれば潤沢でもいいが。基本、水はぎりぎりか?

数百数千メートル下に水たまりがあるとは考えにくいから、上から引いてくることになるのかな。

岩盤罅割れて常に雨漏りかもしれん。あ、面白いぞ。


月の満ち欠けは地下からは見えないけれど、雨の降り方が変わったりして。大潮の時は小降りになる。


◇季節はどこに影響してくるのだろう。地中すぎて影響しないかも。


◇光ファイバーで光を持って来ることくらい出来るか?

すると、地上設備がいるな。

砂漠化してれば、砂を払わないとならない。

緑地化していても、陰にならないようなメンテナンスがいるだろう。

……月に1度とか、専門掃除人が地上まで行くんだ。

完全無欠のブルーワーカーだ。

大人達からは下げずまれ、社会のはみ出し者扱いだ。

(何せ地上は汚染されている。仕事は厳しく、その人も汚染されているかも知れないのだ)

(汚染が病原菌関連だったら? 近付いたらうつるかもしれん!)


◇だが子供達の憧れだな。

彼は太陽を知っている。風を知っている。海を知っている。

生き残っているだろう動植物を知っている。


彼は、何を思うのだろう。


子ども達はどんな大人になるだろう。



◇地底世界は幸せなのだろうか。

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