現代に生きる吸血鬼の最適生活
◇現代生活に適応した吸血鬼の最適な『スタイル』は主夫である。
◇吸血鬼は人の生き血でエネルギーを得る。
コレって実は結構エネルギー効率が良い。
人の身体の隅々にエネルギーを送るのは血液であり、その血液を直接接種すると言うことは、
消化という手順を踏んで分解されたエネルギーを直接得ると言うこと。
寄生植物に近い生体と言える。
◇ところで、このネタを思い付いたCMでは、『薄い! 鉄分が少ない!』と吸血鬼が叫ぶわけであるが。
アルコールのCMで『妊娠中・授乳中の飲酒は控えましょう』とキャプションが出るがごとく。
食生活は当然血液の『質』にも影響する。
肉食を続ければ肉食の血液になるし、ベジタリアンならベジタリアンな血液になる。
その結果が生活習慣病だったりもする。
◇現代食は一昔前より栄養価が下がっている、という話がある。
大規模集中農業、何年も同じ作物を作るが故の栄養不足が収穫物の質にも影響する、という内容である。
つまり、吸血鬼が栄養価の高い『美味しい』血を得るためには、対象となる人間に健康的な食生活をさせる必要がある。
◇もっと言えば、精神状態も血液には影響する。
健康な野菜は美味しい……といった話ではなく、血中ホルモンの話である。
『決してばれないドーピング』と言われている自己血輸血ではないが、
調子が良いときの血液状態というのは、悪いときの血液状態と明確に違うものらしい。
ストレス物質が溶け込んでいる、等とも言われる。
つまり、明確に味が違うはずなのだ。
◇ここまで考えて思ったのは、『健康志向のレストランを経営する吸血鬼』だった。
もちろん、健康になった女性客がオーナーのご飯だ。
◇けれど、それでは吸血鬼本人が栄養失調になってしまうのではないか?
なぜなら、心身共に健康で健やかな状態では、浮気やら、一時の気の迷いなどで
恋人でもない男性に心を許す事が減るのではないかと思われるからだ。
健康にして。美味しく頂こうと思ったら逃げられる。
……慢性的にお腹が空いているオーナーになるだろう。
◇では、もっと最適な『立場』はないだろうか。
適度にお腹も満たせ(対象の女性が干からびてしまうのはよろしくない)
食べるものは美味しく(美味しく、栄養に富んでいるに越したことはない)
安住できる(人型である。野宿は出来まい)
そんな『立場』
◇そして思い付いたのが『ヒモ』である。
寄生植物のごとく、宿主たる女性に寄生(パラサイト)すればいい。
いろいろな意味で。文字通りのパラサイトだ。
ついでに、宿主の食事管理をし、健康管理が出来れば確実だろう。
◇……ちょっと待て。
ヒモ、ベースで考えたけれど。
美味しい料理を作ってくれる。
健康管理を兼ねて、掃除洗濯もしてくれる。
日光に弱いから、日中外に出て働くのは女性の仕事だ。
帰ってきたら肥えてくれとばかりに美味しい料理が待っている。
(でも栄養の幾分かは吸われるので太らない)
………………単なる理想的な主夫じゃねーか!
◇奥さん(ターゲットの女性)はパワフルで血の気の多い女性である必要がありそうです。
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