スペオペと戦闘機形状
◇戦闘機と言えば、シャープな三角形に素早い動きを思い浮かべる。
弾丸発射は左右の翼から必ず同時に焦点距離を合わせて発射される。
おいらのイメージです。
でもこれ、地球上の話ですよね……。
◇ある小説では、宇宙空間で飛び回ります。
ちっさくって、永久機関が開発された前提なので、燃料タンクがありません。
イラストイメージはまさにシャープな三角形。
まぁ、この作品では大気中に突っ込むわ、
大気中でスラスターを地面に向けて静止するわ、
やりたい放題なので………もはや突っ込むまいと心に決めましたが。
冷静に考えると、宇宙空間……気圧ゼロ空間限定であれば、翼は要らない。
◇地球大気圏内での飛行原理は『滑空』です。
ヘリはプロペラで空気を押し出すので違いますが、戦闘機も飛行機も同じはず。
コンコルドがシャープな三角形だったのは、衝撃派対策……と聞いたような。
(大気圏内では音速を超えると衝撃派が出る……ような)
翼の下と上で圧力差を作り、より『高圧』な大気面を滑空するというのが基本原理。
多分。(全く調べてないので嘘ついてたらごめんなさい)
◇航空機の場合は、プロペラで前方の大気を吸い込んで後方から押し出すことで推進力を得て、推進力により圧力差をつくり飛ぶ。
戦闘機の場合はジェットエンジンか? あ? 航空機も同じか? (←調べてないんですってば)
ジェットエンジンは爆発エネルギーを後方に押し出してる。
ただ、燃料を大量に食うからそれだけでは航続距離が伸びない。
浮かぶというのは重力圏での概念だから宇宙空間での戦闘機(航宙戦闘機と以下仮称)には不要だけど、押し出す大気がないのが大前提。
ジェットエンジンのようなエネルギーの噴射がないと方向転換もままならない。
あ。でも、加速したら減速しないから、必要なのは最初&方向転換&減速の場合だけか。
……つっても、それなりにエネルギーが必要で。
エネルギーには燃料が必要で。
莫大な燃料を積むと、重くなり。
余計にエネルギーが必要で……………。
永久機関、もしくは近しいほどのエネルギー効率の推進機関が実現できない限り、
慣性を制御出来ない限り、話は進みませんね………。
◇あー、発散。つまり、浮かぶために必要な機関である『翼』が要らない。
ここで、三角のシャープなイメージから、翼が取れました。
はい。円筒。
◇さてさて、戦闘機と言えば、銃器ですよね。
戦闘機ものの映画でも左右の翼につけられた機関銃からパパパッと発射、前方で交差しヒットする…なんて画がさっくり浮かびます。
あまりにもそういうイメージが定着していて疑問にも思わなかったのですが。
あれ、必ず左右両方ですよね。
………片方だけだとトルク(ぐるん、と回る力)がかかってしまうので、姿勢制御が困難になります。
つまり、航宙戦闘機も機銃は必ず対照に設置する必要がある。
◇ん? 待てよ?
機銃は弾丸を撃ち出すもの。
つまり、弾丸の重さ+初速のエネルギーを前方に打ち出す。
………
はい。後ろに進んでしまいます。
だめじゃん!
◇SFではよくレーザー兵器が出てきますが、レーザーの質量はものすごく小さい、もしくはゼロなので、この問題が起こらないからでしょう。
ただし、レーザーポインタを考えていただければ判るように、普通の出力では
「暖かい♪」「あ、熱いじゃん!」「焼ける焼けるっ」「失明するぅぅぅ」
程度です。
切れたり爆発したり貫通したり、しますか?
宇宙空間では大気による減衰がない……とはいえ、
『切れる』レーザーの出力を思うとどんだけじゃと思ったりするわけです。
………まして、戦闘機がそれを乗せている…………
どんな発信器を乗せているのでしょう………。
◇形状問題に戻りましょう。
さっき、翼を無くして円筒になりました。
機銃は上下左右が正三角か、点対称に据え付けられます。
スラスターは最低三カ所。メインノズルを中心に正三角形に置きましょう。
さてさて、これで前方への移動と攻撃はなんとかなりそうです。
問題は方向転換。
スラスターを使って気長にぐるーーーーーーっと円を描く形になりますかね。
惑星使ったスイングバイとかが早いかも。
メインスラスターで加速した推力があるので、後ろを向くのは相当大変何ですね。
基本放物線です。
つーことは、進行方向にもメインスラスターが必要なのか?
上手く推力を相殺して、相対的に停止したとしましょう。
方向転換の方法は二つ。
(a)片側のスラスターを使って、横に動く
(b)重心に対して偏った位置にスラスターを設置して、回転させる。
(重心に対して点対称の位置で逆方向噴射で方向決定)
(a)だと、メインスラスターを一切使用出来ません。
(b)だと、姿勢制御スラスターがもっと沢山必要です。
◇また、戦闘機といえば急激な旋回、猛る横Gを思い浮かべたりするわけで。
うおぉっっと呻る主人公に血がたぎるわけです。
素人さんはさっくり気絶してしまいましょう。
あれ。当たり前ですが、機体にもかかりますからね。
Gは遠心力なので、回転中心から離れるほど大きくなります。
静止状態でぐるんと回った場合、一番そとっかわに最大Gがかかります。
つまり、方向転換を考えた場合、重心からの距離がばらばらだとかかるGが異なって、
分解しかねないわけで。
つまり、まんまる。ボールがよいのではないかと。
◇前後に同じ推力を発生させる能力がないと、機敏な動きは不可。
転回を考えたら、上下左右にも同推力を扱えるスラスターをつけましょう。
最低6方向でぷしゅーぷしゅーと幾何学的な動きを実現。
『前』の概念がないので、コックピットは球の中心に埋めましょう。
外側はカメラとレーザー口とスラスターの口だけ。とっても無機質。
レーザー光はトルク低減のために、収納型かな。
◇ここまで考えて。あれ、と思考停止。
球体で。
縦横無尽で。
無機質で。
――――これって、ハロじゃね?
衝撃可塑性のある金属が外壁なら完璧です。
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