闇と光05
『闇』に生まれた生物なら、『闇』に『光』を感じるように進化するはずである。
同じ『光』を知る生物でさえ、超音波を駆使したり、触角などの器官を発達させたりして、『光』意外の方法で情報を入手することもある。
なのに、『光』の世界の光を知り、それを使う。
もしくは、『光』の世界の光を知り、憧れる、もしくは……にくむ。
これはすなわち、『光』の世界の光を正しく認識できるということであり、
『闇』に生まれた生物としての進化をしていない、ということではないだろうか。
この事柄は何を示すのだろうか。
現在の主流であるダーウィンの進化論は、環境に合わせた進化を提唱している。
ある1個体に突然変異が生じ、より生きるのに適した変異で有れば、やがてそれは種全体に広がっていく。
そう言う考え方だ。
現在はそれだけでは説明のつかない生物進化の謎なども含め、様々な学説が有るようであるが、一つだけ確実に言える事は、『その環境で不利になるような進化はしない』 とういうことであり、『不要な器官・能力は退化していく』ということである。
われわれ人間でも、尾てい骨や、親知らずなどで、その『退化』を感じる事ができるのではないかと思う。
同様に、『闇』にあって『光』の世界の光を知る生物がいたとしたら、『光』の世界の光を知る事が必要だったといえる。
『闇』の世界で生きるためには、『光』の世界の光は有効ではないと思われる事から、簡単な結論が導き出せるのではないだろうか。
『光』に憧れる。もしくは、憎む。
そんな『闇』の生物は、『光』の世界で生まれたのである。
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