第8話記念写真

僕らは結婚した。


妻は結婚するまで、某子供写真館の店長をしていた。僕より給料が良かった。(^^;)


でも結婚しながら続けれる仕事ではなかったので、僕一人の収入で生活する事にした。

足りない分は新聞配達のアルバイトもする事にした。

そして、妻が退職する日、


僕はサプライズで、妻の勤める子供写真館の閉店間際に顔を出した。

手には近所の花屋で買った花束を持って。


「どないしたん?」


妻は目を丸くして驚いた。


「長いこと、お勤めご苦労様。これからは一緒やし、家庭に入ってもらうし。なんていうか、俺が仕事を奪ってしまったようで。悪い気がしてな。」


「なんよ。そんな事気にしてたん?」


「好きな仕事やったんやろ?」


「そうやけど。結婚するまで。って決めてたからね。」


そして、閉店した子供写真館。

二人で記念写真を撮る事にした。

カメラは自動シャッターにして、二人で写真を撮った。

妻は僕の買ってきた花束を持って。


いよいよ。僕らは夫婦だ。

彼女の生活、人生、しょっていかなくてはならない。

こうして僕との結婚によって、彼女は仕事を辞めた。

頑張って、彼女に飯を食わせていかなくてはな。


芸人だろうが、パチンコ屋の店員だろうが、僕の今後は、彼女の人生と同じ。


もう、自分だけ貧乏に耐えていればそれでいいわけじゃない。

自分は、どうでもいい。

彼女だけは守らないと。


二人で撮った、記念写真。


彼女はとても幸せそうに笑った。


僕は、笑っていたが、とてつもない責任と重さを感じたのである。


結婚とは、そういう事だ。


愛する人の人生と、僕の人生が、これから、ずっと一緒なのだと・・・

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