Blue Wave 101.3
「皆さんこんばんは!
平野武蔵です!
お聴きの放送はBlue Wave 101.3。
今夜の特集は・・・」
九一は電車の窓から景色をぼんやり見ながらイヤホンでラジオを聴いていた。
ソヨンは寝てしまった。
二人を乗せた列車は隣の県に入ろうとしていた。
組織の追手を撒いた後、二人はタクシーに乗った。
できるだけ早く、遠くに行きたかったがタクシーは金がかかりすぎた。
九一は運転手に隣町の駅に行くよう指定した。
そこで警察が張っていなければ、電車に乗り換えるつもりだった。
幸い警察はいなかった。
二人は各駅停車に乗って南に向かった。
二人は今、警察と殺家ー、二つの組織に追われていた。
警察に捕まれば刑務所行き、殺家ーに捕まれば殺される。
当然、どちらも二人の望むところではなかった。
とにかく逃げなければならなかった。
行く当てはなかった。
追手から逃れられるならどこでもよかった。
ラジオはローカル放送だった。
九一は暇になるとラジオでよくローカル放送を聴いた。
「では、今日の一曲目。ソウル・アサイラムでランナウェイ・トレイン」
Runaway train, never going back
Wrong way on a one-way track
Seems like I should be getting somewhere
Somehow I'm neither here nor there
逃走列車 もう帰らない
誤った道への片道列車
どこかに辿り着きそうで
なぜかどこにも辿りつかない
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