第146話 我が家が一番
「やっぱり我が家が一番だね~」
旅行もいいけどやっぱり家が一番くつろげるよ。
「ニャー」
ティーグルにもそうだね~って言ってもらえたような気がする。クリリもほっとしたような顔をしてるから、お留守番は結構疲れたのかな。
「何かあった?」
「タオルが大量に売れて在庫が少なくなったのと、プリーモさんが来てベリートリア国に行ってるって言ったらすぐ会いたいって言ってたよ。なんかあの国で店を出したいのになかなか許可がでないからコネがあるのなら紹介して欲しいって」
コネって国王様なんだけどね。そう言ったら腰抜かしそう。でも、これって調度良くない? 国王様からマジックショップナナミの店を出してくれないかって言われてたけど、返事をしないまま帰ってきてしまった。さすがに忘れてましたとは言えない。
そこでベリートリア国に店を出したがってるプリーモさんにプリーモ商会の店を作ってもらって、そこに少しだけマジックショップナナミの商品を置く。うん、我ながらいい考えだね~。ちょっとプリーモさんに悪いかなあ。
「なんかナナミさん悪い顔になってるよ」
クリリに指摘されて頬を叩いて咳払いした。
「暑いからタオルが売れるんだね~。そろそろ涼しくなるだろうから落ち着くかな」
そろそろこの世界に来てて一年になる。ここに来た時は暑くなかったから、そろそろ涼しくなると思うんだけど。
「今年は暑い日が多かった気がするよ。でもアイスや氷のおかげで去年より過ごしやすいってみんな言ってるよ」
ポッキンアイスは安いからかたくさん売れた。クリリみたいに食べ過ぎてお腹をこわす人もいたけどね~。まだ暑いから当分は売れそうだけど冬はアイス売れないだろうなあ。何か冬に売れそうなものないか考えないとね。
「プリーモさんにあったら孤児院で成人する子がいるんだけど、『プリーモホテル ガイア』の方で従業員募集ないか聞いてみてくれますか? 獣人だからなかなか見つからないみたいなんです」
クリリが思い出したように言うけど、もしかしたら前から頼みたかったのかもしれない。クリリは遠慮するところがあるから。
「そうだね、聞いてみるよ。その子達は読み書きは出来るようになったの?」
ホテルだから読み書きができないと駄目かもしれない。雑用でも必要な気がするよ。
「うん。かるたのおかげでだいぶ出来るようになったよ。一人はまだ書くのが苦手みたいだけど、成人までには出来るようにって頑張ってるよ」
うちで雇えたらいいんだけど店も広くないから従業員はそんなにいらないんだよね。
クリリのためにもプリーモさんが来たら聞いてみよう。プリーモさんだったら『プリーモホテル ガイア』以外にも働ける所を知ってるかも知れないからね。
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