第81話 リバーシ大会⑥

81 リバーシ大会6


ガマガエルさえいなくなればクリリの試合見れると思ってたのに私の肩が叩かれる。


「すみませんが双眼鏡を売ってもらえますか?」


「試合見るからもう閉店です」


振り向かずに断る。顔を見ると売ることになるから、はじめから見ないよ。


「そこをなんとかお願いできませんかナナミさん」


名指しです。仕方なく振り向くとプリーモ商会もルイスさんだった。


「ルイスさんじゃないですか? ルイスさんが双眼鏡いるんですか?」


「昨日の評判を聞いた方々が欲しがって大変なんです。上からだと見えにくいから仕方ないことですが......」


「でも金貨2枚で売ってるから一般市民には買えないんじゃないですか? そんなに使うものでもないから勿体無いですよ」


私が売った相手は貴族ですが、他の席の方々はとても買えないでしょう。


「はい。ですからレンタルしようと思ってます。1日で5銅貨です。これだったら払えるでしょう」


なるほど。ルイスさんが買い取ってレンタルするって事か。


「200個ほどいいですか? 買いたい人にはそのままの値段で売りますから。ナナミさんに迷惑はかけませんよ」


どうしようかな。買いたい人には金貨2枚で売って借りたい人には5銅貨で貸す。それをプリーモ商会の方でやってくれる。いい話だけど大丈夫かなぁ。

まあ、いいか。クリリ見たいし。


「わかりました。ルイスさんには得にもならないのにすみませんね」


さっさと鞄から双眼鏡200個を取り出して渡す。こんな事もあろうかと昨夜買っておいてよかった。


「クリリどう?」


「さすがに相手も強いな。8人に残っただけあるよ」


タケルが言うくらいだから強いみたい。私も双眼鏡で見ます。昨日より時間かかってるよ。クリリ頑張れ。


「ジーサンの相手が子供とは。楽勝ですわね」


「あんな獣人の子供が今まで残ってたのが不思議だよ。ジーサンもついてるな」


近くからクリリを馬鹿にする声が聞こえてくる。クリリの相手は貴族の男だ。高価な服を着てあまり似合ってないけど髪も伸ばしてる。20代前半に見えるからジーサンというのは彼の名前だろう。


「クリリ爺いみたいな名前の男に負けるなー」


「うん。もう勝ちは決まったよ。クリリの勝ちだな」


タケルが双眼鏡から目を離して言う。まだ半分くらい残ってるのに.....断言して大丈夫?

しばらくするとクリリが手を上げて喜んでいる。すごい4人に残ったよ。次の相手は......爺さんだ。


















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