第80話 リバーシ大会⑤
80 リバーシ大会5
大会2日目。昨日トーナメントで勝ち上がった者たちが8人並んでます。勝ち残れた子供はクリリだけです。残りの7人は17歳くらいから60歳くらいの男性です。女性? 予選の時から女性の姿はなかったです。まだまだリバーシは男性専用みたいですね。
2日目は下で応援できるのかと思ってたけど、今日も上から観戦ですね。双眼鏡が役に立ちます。
ルイスさんが用意してくれた席は昨日と同じ場所で、周りは貴族の方々のようです。
「おい、そこのお前。双眼鏡とやらを売ってるそうだな。買ってやるから早く出さないか」
なんだかガマガエルの様な顔をした横柄な男が喚いてます。こういうのはスルーします。
今からクリリを応援しないといけないのに相手にしてられません。
「おい、聞いてるのか。こっちを向かないか。私を無視してただで済むと? 」
ガマガエルの後ろから杖を持った女が出てきます。魔法使いのようです。これはもしかしたら私のバリアの出番かもしれません。
「ナナミ、今不吉なこと考えてるだろ?」
タケルが失礼なこと言ってます。
「え? ちょとバリア使って自分を守ろうとしただけよ。自衛だよ」
「お前のバリアは自衛じゃない。立派な攻撃だ。どう考えても普通のバリアじゃないだろ。こいつらをグシャっとする気か?」
グシャは嫌です。ガマガエルのグシャ......。想像したら気分が悪くなりました。
「貴様は誰だ?」
ガマガエルがタケルに尋ねます。
「タケル・カイドウだ」
「タケル? 変な名前だな...。ん?タケル・カイドウ! これは、これはゆ、勇者様でしたか。失礼しました。こちらのお嬢さんとはどのような関係で?」
ガマガエルが突然ヘコヘコして気持ち悪いです。
「この娘はナナミと言って俺の友人だ。変なことするつもりなら俺が相手になると思え」
「これは知らぬこととはいえ失礼しました。どうしても双眼鏡が欲しくて、欲しくて...うっ..う..」
タケルの迫力が怖かったのかガマガエルは泣き出しました。ガマガエルの泣き顔......。美しくないです。周りの視線も痛いです。いじめてませんよ。
仕方ないので双眼鏡を売ってお別れする事にします。ひとつ取り出すと2つと言うので2つ渡します。ガマガエルはお金をたくさんくれるわけでもなく正確に4枚置いて去っていきます。
さあ、これでゆっくりクリリの試合見れそうですね〜。
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