第79話 リバーシ大会④

79 リバーシ大会4


大会1日目。参加人数が多いためトーナメントで行われる。クリリが最年少かと思っていたら、5歳くらいの男の子もいた。賞金が高いせいかあらゆる人達が参加してるみたいです。参加費用がいるとはいえ、勝ったら白金貨10枚ですからね。


「すごい人数だね〜。クリリ大丈夫かなぁ。緊張しないといいけど」


実力では大丈夫でも緊張してたら本来の力が出ないかもしれない。心配です。


「大丈夫さ。昨日は朝からずっと俺とリバーシで勝負して、対策もバッチリたててるからな」


そうなんですよ。昨日も皆んなで店をいろいろまわろうと思ってたのに、大会前だから練習しないとって2人は行かなかったんです。楽しい買い物より練習をしたいという2人に悪いな〜と思いながらもコレットさんと買い物を満喫した。次はいつ来れるかわからないからね。

買い物してて気付いたけど、ペットボトル持ってる人が多いです。中身はお茶とか水が入ってるみたいです。本当に再利用されてるんですね。


大きい会場に私たち見学者は通されたけど、本番は明日です。今日は勝者が12人残れるようにトーナメントも12作られてて、その戦いを見る事になりそうです。上から見下ろすので、はっきり言って全然見えないです。


ふふふ。こんな事もあろうかと双眼鏡持ってきました。一応いろいろあるので一番ハッキリ見えるのを持ってきました。中にはうーんと唸りたくなるくらい性能が悪いのもあった。100円ですからね。仕方ありません。


「この双眼鏡結構使えるな。こんなものまであるなんて知らなかったよ」


タケルも感心してます。タケルなら魔法とかで見えるんじゃないかと思うんだけど、なぜか双眼鏡で見てます。


「どう? 勝ってる?」


クリリの顔は見えるけど盤上まではなかなか見えないのでタケルに聞きます。


「ああ。順調だな」


「あっ! クリリがガッツポーズしてる。勝ったんだね!」


コレットさんと一緒に手をたたいてい喜んでいたら、周りから視線が......。うるさかったでしょうか?


「すみません。その眼鏡のような品物で遠くが見えるんですか?」


貴族のような高価な服を着た人が話しかけて来ます。今回の大会のは貴族の方々も多く出場してます。彼らは賞金が目当てではなく、名誉が欲しいとか。リバーシで勝って名誉ってよくわからないけどね〜。


「まあ、すごーくとはいかないですけど見えますよ」


私が答えると周りが騒ついてます。私は気づいてなかったけど、この席って周りは貴族ばっかりだったようです。


「是非売ってください。息子が出てるんですが見えないんです。お金はいくらでも出しますよ」


「いやいや、わしの方が高く出すからわしに売ってくれ。孫の有志を見たいのだ」


いつの間にか大勢の人に囲まれてます。どうやら『マジックショップナナミ』に頼んでるのではなく、私個人の今持ってる双眼鏡を狙ってるようです。普通何個も持ってるとは思いませんよね。


「わかりました。金貨2枚で売りましょう」


喧嘩になっても困るので、サッサと売ることにした。貴族なので金貨2枚もらっても大丈夫でしょう。

思った通り金貨2枚に怯むことなく買っていきます。


「おおー。これはよく見える」


ピントの合わせ方も教えておく。後で見えないと騒がれないためです。


「このような便利なものがあったとは」


粗方売り終わった時には、午前中のクリリの試合は終わっていた。やれやれです。

え?クリリは勝ったのかって? もちろんですよ。クリリは強いですからね。そんなに簡単には負けません。


結構稼げたのでお昼は高級なものが食べれそうですね。






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