第72話 防御魔法1
「今日は防御魔法を練習していこう」
クリリはちょっとがっかりしてる。バーンと攻撃魔法使いたかったんだね。男の子だもんね。
「クリリは風の魔法が使えるから風のバリアを張れるように.....」
タケルがなんかクリリにいろいろ説明してます。でも私はバリアという言葉に魅せられます。そうバリアといえばアニメとかによく出てくるあれです。全ての攻撃を弾くすごいものです。ーーバリアが使えるようになれば私でも森に行けそうです。
なぜ森に行きたいかというとタケルが森に温泉を見つけたって言ってたからです。それもうまい具合に風呂のようになってて、温度も41度くらいだから動物も入って来るそうです。
行きたいって速攻で手を挙げたのですが、無情にも却下。あの森には魔物もいるから自分の身を守れるようになるまでは連れていけないって言われたんです。自分は行ってるのににひどい話です。
「おい、ナナミ、聞いてるのか?」
はっ! 聞いてませんでした。
「バリアですね。大丈夫ですよ~」
「何が大丈夫なんだか。フィールドタイプで自分を覆ってしまうのもいいが、バリアタイプの方が全方向から自分を囲うからこっちの方が攻撃できないナナミにあってると思う。目の前で剣を弾くより、少し離れた所で弾かれたほうが安心だろ?」
目の前まで敵が来るのは嫌なのでバリアを教えてもらう事にしたよ。
「吹き抜けたる風よ、我を守り給え!」
クリリが詠唱すると風が吹いてクリリを囲んでいきます。
「やっぱりクリリは器用だな。少し風が弱いが練習すれば強くなるだろう」
何てことでしょうクリリがタケルに褒められてます。一番弟子の私も負けられません。
「ふ、吹きたる風よー」
「待て、なんで詠唱してるんだ? それに風って....ナナミは詠唱しなくていいよ。生活魔法だって詠唱してないって言ってただろう」
えー。詠唱ってカッコいいのに。
「ナナミのバリアのイメージを思い浮かべるんだ」
バリアのイメージといえばアニメでしょう。あらゆる攻撃を弾く、攻撃する側からすればとても厄介な魔法。
魔力が底なしと言われる異世界人にとっては無敵の防御魔法。攻撃できないのが難点だけどね。攻撃もできたらいいのに。やられた分だけやり返すイメージだよ。目には目を歯には歯をだよ。
「何したんだ。バリアの色が変わったぞ。嫌な色だな」
どうやらバリア張れていたようです。
「ちょっと確認するからそのまま張っておけよ」
タケルに言われたのでそのままのイメージを持続する。魔力のない人はこの辺でギブアップするそうです。
突然タケルが私めがけて火の魔法を使ってきます。ビックッとしたけど、言われた通りバリアは張ったままです。
火の魔法はバリアに弾かれ、そのままタケルに帰っていきます。
「わっ!」
タケルは慌てて弾いてますね。どうやら目には目を作戦は成功したようです。
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