第63話ソース焼きそばを食べよう




「このソース焼きそばってカップ麺とは違うの?」


クリリが聞いてくる。そうだった。クリリには説明しとかないとね。一応説明が商品にも書かれてるけど字の読めない人もいるから。ん? 日本語が読めるのかって? 何故か読めるみたい。私には日本語なんだけどこの日本から来た商品はこの国の言葉に変換されてるんだって。知らないでいっぱい説明してたよ。でも文字読めない人も多いから無駄ではなかったと思うけど。クリリは字が読めるけど初めての商品は戸惑うみたいです。


「お湯を入れて何分か待つのは同じなんだけど、これは3分だね。その後お湯を捨てるんだよ。それから中に入ってるソースをかけるの。美味しいんだよ~ちょっと食べてみる?」


「うん。食べてみたい」


耳がピクピクしてますね。

お湯を捨ててソースをかけると店になんともいえない食欲をそそる匂いが充満しました。


「これは美味しそうな匂いだな」


店にいたお客さん達がクンクン匂いを嗅いでます。仕方ないので紙皿に分けてあげました。それをクリリは悲しそうな目で見てます。クリリに渡すのは少しになってしまいました。


「美味しかったら、また昼にでも食べていいからね」


私がクリリにそう言うと目を輝かして喜んでます。クリリわかりやすいですね。


「これはなんとも言えない味だ。焼きそばか、ラーメンも美味いがこれもいいな」


「このソース今まで食べたことのない味だわ」


「これは買って帰らないとな。みんなびっくりするぞ」


分けてあげた客は喜んでカップ麺とソース焼きそばを買って帰った。試食すると大抵の人は買ってくれます。やっぱり見たことのない商品だから食べてみないとなかなか売れませんね。口コミで広がってくれるといいですけど.......。


「ホントだ。このソース焼きそば美味しいよ。このソースがなんとも言えないよ」


クリリも絶賛です。ソース焼きそばも異世界で売れそうですね。でもクリリには今度賄いでオム焼きそば食べさせたいなぁ~きっとすごく喜んでくれるよね!





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る