第46話セルビアナ国ウータイ4
「百均の商品だけですか?」
ヨウジさんが不思議そうな顔で聞いてきます。
同じ日本人だし大量に購入してくれそうなので、格安で売りますよって言ったら、どんなものが買えるのかと聞かれ、正直に百均の商品だけだと言いました。
「そうです。百均だけです」
生鮮食料品はないし、アルコールもダメなんです。期待してたらごめんなさいです。
「結構買えるんですね。頼みたいものいろいろありそうなんで、夜まで考えさせてください」
ヨウジさんはガッカリした様子もなく嬉しそうです。
その後お好み焼きも出来たので、みんなで分けて食べました。日本にいた時は料理人ではなかったそうですが、さすが大阪人。お好み焼きは絶品です。お好みソースをかけた上にマヨネーズをかけてアツアツを頬張ると幸せの味です。
「これがヨウジの言ってた本当のお好み焼きなんですね。濃厚なソースに生地の中に入れ込んだ海鮮。とても美味しいです」
アンジェさんも感動してます。どうやら2人の世界に入りそうなので、私たちは街を探索することにしました。
「わー。海の匂いがします」
「そうだね。夜になると波の音も聞こえてくるよ」
久しぶりのお天道様です。店が忙しくて、外出してないですからね。
「とりあえずウインナー買いたいです。後チーズも」
「海鮮も見に行こう。アイテムボックスに入れてたら時間進まないから、いつでも新鮮な魚が食べれるよ」
「そうですね。海鮮カレーや煮魚もいいですね。ん?なんか食べることばっかりですよ。他に何かないんですか?せっかく違うところに来たんだから何か土産になるものないですか?」
「普通に港街に来たらお土産は塩が多いよ。でもナナミが純度の高い塩を安く売ってるから土産にはならないな。ウインナーでいいと思うよ。珍しいものだからね」
タケルはどうも食べ物に偏ってる気がするよ。きっと魔王退治の旅の時の食生活のせいだね。干し肉とかばっかだったって言ってたから。
「とりあえずウインナーはどこが美味しいの?」
「うん、ウインナーなら〈ハルの美味しい肉屋さん〉がいいよ。ハルさんと協力してウインナーを作ったってヨウジが言ってたから」
タケルの案内で〈ハルの美味しい肉屋さん〉に行くことにした。せっかく来たのだからウインナーいっぱい買って帰ろう。パンに挟んでホットドッグ。ポテポテサラダに入れるのも良さそう。
「わー。いろいろあるね。ハムにべーこんまでもあるよ」
〈ハルの美味しい肉屋さん〉には沢山の加工品があった。肉もいろいろあるので、肉も買って帰ろう。なんの肉かよくわからないのでタケルに聞きながら選んでいく。魔物の肉は栄養もあって美味しいらしい。
「このフィルデビの肉は豚肉にとっても似てるんだよ。この肉でしゃぶしゃぶしてもいいし、豚カツも美味しいと思うよ」
しゃぶしゃぶに豚カツ。いいですね~でもしゃぶしゃぶする鍋ないですよ。そう言うとタケルは任せろと言ったので、何処からか調達してくれそうです。
牛肉は普通にあった。モウモウという牛とよく似た動物で、牛乳もこのモウモウから取れるそうです。もちろん牛乳とは言いません。モウモウミルクです。チーズもこのモウモウミルクから作っているようです。
結局この〈ハルの美味しい肉屋さん〉で沢山の肉とベーコン、ハム、ウインナーを買いました。清算はタケルがしてくれたよ。その代わりに料理は私がすることになりそうです。ーーさあ次はチーズと海鮮ですね。
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