第33話 勇者さまが来店3



「は?」


「だから百均の商品だけ買えるんです」


微妙な顔です。ドヤ顔した私が恥ずかしいです。さっきは泣いてたくせに....なんて言いません。言いたいけど。確かに微妙な能力ですからね。


「あ、それでカレーがクク○カレーとかボ○カレーじゃないのか。カップ麺も有名なのがなんで置いてないのかって思ったんだよ」


なんか1人で納得しいてます。私は彼が持っていたカレーとごはんを棚に戻します。


「わー。なんで戻すんだよ。買うから。それ食べるから」


棚に戻しただけで慌ててます。百均を馬鹿にするからです。


「いえ。ボ○カレーが食べたいのでしたら無理して買わなくていいですよ。勇者さまが買ってくれなくても売れてますから」


「百均サイコーです。すごいです百均。ナナミさまお願いします。売ってください」


手を合わせて拝んできます。このままでは土下座もしそうな勢いです。仕方ありません。許してあげましょう。勇者さまに土下座させられません。


「ここで食べるんですか?」


「ああ、皿も持ってるから大丈夫。すぐ用意出来る。あー、夢にまで見たカレーだよ。米に似た商品はあるけどカレーはどこ探してもなかったんだよ」


テキパキと皿を並べてます。でもお湯の用意ができてません。


「お湯の沸かしましょうか?」


「魔法使うからいいよ」


「そんな魔法あるんですか?」


カップ麺に魔法でお湯を入れることはできそうですが、7分から15分沸騰してるお湯につけておかなければいけません。どうするのでしょうか?


タケルは初めにご飯を2つ持って何か念じました。

それだけです。それだけで、ほっかほっかのご飯ができてました。大きな皿に移したご飯は湯気が出てます。

次も同じようにカレーを2つ持って念じます。湯気がたったカレーがご飯の上にかけられます。


「今のどうやったの? 勇者ってこんなこともできるの?」


「これは勇者だからできるんじゃないよ。文明機器に慣れた日本人だからできることかな。電子レンジは電波を使って水分のある食品を発熱させるんだ。電波ってマイクロ波のことなんだけど、これをあてて水分子を振動させて温度を上げさせるんだよ」


さっぱりです。タケルはきっと理系だね。私は文系だから無理そうです。


「今日は食べるのに忙しいから無理だけど、今度教えてあげるよ。きっとナナミならできると思うよ」


いやいや、マイクロ波とか無理ですよ。聞くだけで頭痛くなってきました。

タケルは首をブンブン振ってる私を見ることなくガツガツとカレーを貪ってます。





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