第4話 猫屋敷

 Sさんの街に「猫屋敷」と呼ばれる立派な廃屋がある。

 真夜中に屋敷の近くを通ると複数の猫の声が聞こえるという噂から猫が一匹も住んでいないのに「猫屋敷」と呼ばれていた。

 有名な心霊スポットで話を聞いてやってくる人も多く、Sさんも学生時代に一度だけだが入った事がある。やってくる人達の中には大騒ぎする人も少なくなく酔っ払ってくる人も居る、その為か近隣に住む人達が市役所に「取り壊してほしい」という要望を送り取り壊される事になった。

 取り壊す時もよくある不思議な現象や大怪我する人も居なく順調に進んでいた。

 だが、作業が始まって数日後、騒ぎが起きた。


「地下室に猫の死骸が!!!!!!」


 作業中に地下室を見つけ、中に入った所、猫の死骸が大量に見つかった。

 すでに骨になったもの、腐りかけのもの、そして真新しいものを見つけ、その場に居た作業員は戦慄したという。

 死骸は近場の寺の住職によって供養された後、処分し、取り壊し作業は犯人探しの為に一時休止となった。

 そして、屋敷の夜に響いていた声は殺された猫の声・・・・・・という噂が広まった。

 未だに猫を殺し続けた犯人は捕まっていない。


 

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