第18話 マサくん以外にもいたよ

FROM:大地母神サルナス

件名  :助けて下さい

本文  :いきなりの異世界転移により混乱されていると思います。

      されど、今この世界は滅びの道を突き進んでおります。

      異世界より来られた勇者の方々。

      お願いです、世界をお救い下さい。

      人族至上主義の帝国は人類平等主義のダルケス王国と様々な摩擦を生じさせ      てきました。

      国力に劣る王国は隣国のエルフの国、エルフリード、獣人が多く住むアフラード      王国、ドワーフが中心のゾーリン王国、そして神聖ファルナス皇国と軍事同盟を

      結ぶ事で対抗してきました。

      されど帝国は時間をかけて戦争の準備をし、ついにダルケス侵攻を開始しまし      た。

      今ケルシャー村に迫るのは知将と帝国でも名高いコネリー伯ムーア将軍率いる

      第2軍団。

      このまま放置すれば程なくケルシャー村はおろかボウマン伯領都ウインワール      まで占領され、王国の人族以外の人類は奴隷の身分に落とされる事でしょう。

      貴方達日本人の愛するエルフの若奥様やロリドワーフは勿論、猫耳、犬耳、兎      耳少女まで油ギシュで変態な帝国貴族達にあんな事やこんな事、さらには口に      出す事も出来ない様な変態猟奇的な事までされてしまうでしょう。

      そしてその毒牙はショタな者にまで及ぶのです。

      アーッな事やウーッな事でその青きつぼみを散らすのです。

      ロリコンでケモナーでNTR属性で腐った民族である日本人の貴方がたなら到底      許す事の出来ない所業のはずです。

      ですからお願いです。

      帝国からケルシャー村をお救い下さい。

      もしお救い下さるのであれば些少ではありますが今後の行動費としてDAT通貨

      10万クレジットと現地通貨10万ギルダーを差し上げましょう。

      そして、今ケルシャー村には我々の代理人を派遣しております。

      かの者が皆さんのこの世界での行動をサポートいたします。

      どうかお願いです、この世界を救う為、まずはケルシャー村をお救いください。





「なあ、この女神、俺等に助けて欲しくないのかな、この文面」


佐藤がポツリと呟く。


「なんかニワカな外国人が誤解した日本人イメージってやつかしら」


木綿子がそれを受けて言う。

そんな事を言っているとローンレンジャーのドアが開きチームのメンバーが入ってくる。


「サトさん、来たぜ俺等の時代が。

ケモ耳少女にロリドワーフだってよ」


興奮したように青年の一人が言う。

身長170センチくらいで天然パーマの髪に浅黒い丸顔で、どこかアジアンな感じの風貌だが純粋な日本人だ。

アバター、雨尾伝三郎を使っていたプレイヤー中坪耕介である。

大西達と同学年で漫研とゲーム研を掛け持ちしている。

大学で佐藤達と知り合ったメンバーだ。


「ツボ、うるさい、だまれ」


隣にいた女性が棒読み口調でハリセンで中坪の頭をはたいてツッコム。

身長160センチ位、細身でくせの無い黒髪を肩まで伸ばした色白な日本人形の様な感じの女性だ。

田口久子。

中坪同様漫研とゲーム研を掛け持ちしている。

学年も一緒である。


「いてーな、タグッちゃん。

男なら誰でも興奮する胸熱な展開だろう、なっ、サトさん、高久。

目指せケモ耳ロリハーレム展開だぜ」


「いや、別にハーレムは目指さんでいいだろう、なあ」


佐藤がそう言って同意を求める様に高久を見る。


「えっ、目指さねえの、サトさん。

テンプレじゃねえかよ、テンプレ。

男なら、と、当然じゃあないですよねえ」


途中まで勢いのあった高久だが、佐藤の横を見て勢いを無くしていった。

佐藤が自分の横を振り返ると満面の笑みを浮べた木綿子がいた。

更に彼等と一緒に入ってきた明美が言う。


「少しは空気を読みなさい。

女子もいるんだからね」


「まあなんだ。

気持ちは解らんでもないが、そういう話は野郎だけの時まで取っておけよ。

今はそれより優先すべき話題があるだろう、な、サトさん」


明美に続いて身長190センチ位の細面の青年がいう。

サラサラヘアーの優男な感じの美形だ。

彼がシノさんこと篠崎裕也だ。

大学の演劇サークル『ハーツ』の看板役者で、なんでこいつがゲーム研なんぞにと周囲にいわれているのは木綿子同様である。


「現地はどんな感じなんだい」


シノが続けて佐藤に聞く。


「スカイハウンドがペガサス騎兵に攻撃されている。

性能がこちらの方が上な為何とかしのげているが多勢無勢だ。

脱出は困難らしい。

しかも相手はスキル攻撃を使ってきた。

余裕はない」


「ペガサスかあ。

やっぱり手槍か細身の槍かい、マサやん」


佐藤の言葉に元が笑いながら言う。


「そんなわけあるかよ。

弓を装備している」


苦笑しながら言う佐藤に我が意を得たりと少し興奮しながらシノがいう。


「だよなあ。

せっかく飛んでんのになんで急降下して槍で攻撃なんだよって思ってたんだよ俺。

せっかく剣も槍もとどかない所にいるんだから弓使うでしょ、弓」


佐藤の横では木綿子が額にてをあてていた。


「マサくん以外にもいたよ、二人も」


「ま、普通はファイアーエ〇ブレムなんて古いゲーム知らない」


木綿子の呟きにぼそりと久子が呟く。


「あんたもかい」


思わず声を荒らげる木綿子に無表情でVサインをして答える久子であった。

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