第2話 ニート、外へ出る!

8月15日、午前10時20分。


「ふぁー、寝すぎたかな……」

時計を見るもやはり10時20分から動かない。しょうがない、今日買い直しに行くか。


とりあえず朝飯だ、リビングへ直行。


「あれ?」


家族の姿がない。買い物ではなく旅行へ行ったのか?まあ、どっちでもいい。


とりあえず冷蔵庫にある材料で朝飯を作る。今日はチャーハンだ。恥ずかしながらこういう料理しか作れない。料理本でも買ってこようか。

そんな事を思いながらも完食。自室に戻り珍しく服を選ぶ。下は黒のスキニー、上は白のピッタリとしたTシャツにグレーのパーカー。

うん、これで行こう。


「ガチャ」

うわっ、思ったよりも眩しい……いつから外に出ていなかっただろう。もう2、3年前か?

ニートにはキツイぜ、全く。時計屋さんは徒歩で20分のはずだ、早く行って早く戻ってこよう。こうして俺は時計屋に向かった。


「あっちい……」


もう何分歩いただろうか?軽く見積っても20分は経ったはず。幸い携帯の時計は壊れていなかったので恐る恐る見てみる。

「げげっ!もう1時間も歩いたのかよ!?」

思ったよりも歩くペースが落ちていたらしい。が、もう見えるくらいの距離だ。頑張るか……


あれから更に15分後、やっと到着。行くだけで疲れるとは。


店内を物色した後、中々良さそうな時計があったので買うことに。色は青のデジタル時計。これなら安心だ。

会計の為レジへ向かう。

……あれ?店員が居ない。

「すみませーん」返事がない。

「すみませーん!!!」先ほどの倍くらいの声で呼んでみた。だがやはり返事はない。


仕方なく俺はお金をレジに置いて商品を持って帰った。


「ん?」


帰り道、不思議に思う。人の数が全くと言っていいほど見えなかったからだ。

時計屋に行くのに必死過ぎて忘れていたが、行きの時も見なかった気がする。まあ暑いから家から出たくないだけだろう。俺と同じように(いや、俺の場合家から出ないのは毎日だな)

こんな事を考えつつ家に到着。帰りは少し涼しくなっていたため50分で帰ることが出来た


先に風呂入ろ……ご飯はいいや。



〜その日の夜、家の真上にて〜

???「あいつでいいんですか、___」

___「ああそうだ。よく覚えておけ」

???「了解!」




「明日も料理の本買いに外でなきゃな」

ため息混じりにつぶやきながら俺は目を閉じた。



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