恵理香 05-脳みそ

と言う訳で、俺はディスカウントのスーパーに来ていた。

「予算は?」

「幾らでも」

また睨まれた。


カートへ次々に入って行く、肉に野菜に果物、それに調味料の数々。

カゴが2個では足りず、俺の手は3個目を持たされた。

こんなにスーパーで買ったのは初めてだ。



部屋に戻ると次々に仕舞って行き、どこに置くかなんて聞かれもしない。

オリーブ油と醤油の置き場所を指示すると、また睨まれ別の所に仕舞われてしまった。


どこでもいいよ、はい

ビールを飲みながら新聞を読んでいた1時間半後、料理が出来た様だ。

テーブルに並んだのを見て、俺は思わず女の顔を見詰めた。



そこに並ぶのは見るからに美味そうだった。

大盛りの色んな野菜のサラダ。

スープが俺の好きなチーズがいっぱいのオニオングラタン。

そして、おつまみにもなるエビのコキール。

メインが何とターンシチューだ。



先ずスープを飲んだ・・・美味い

そしてターンシチュー・・・こんな短時間で?

「美味しいの?どうなの?」

タンを噛みながら俺は頷いた。

それを見ると初めて女が食べ始める。

「まあまあかな、この時間にしては」


まあまあ所じゃ無く、サラダのドレッシングがこれまた美味かった。

「もっと美味しいもの食べたかったら・・・お金あるならガスのオーブン買って」

「ああ、明日仕事が終わってから二人で買いに行こう」

「高いわよ」

「あぁ平気」

「こんなアパートに住んでて?」


「恵理香は頭に脳みそが入っているのか?」

「あんたより多いと思う」

「・・・・・いいか、10万以上もするマンションでは無く、こんなボロアパートに住んでるから金に余裕が出来る」

「紫野さんって、頭いいね」


さっきなんて言った、このー

立てたばかりのコーヒーを飲みながら、二人でWOWOWの映画を2本見終わった。

「そろそろしたくなってない?」

こっちはさっきから遣りたいわい

「なに?したいのに言うのが恥ずかしいんだ?」

「遣りたい!!」

「やっぱり。さっきホテルでシャワー使ったから、すぐでもいいよ」

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