この作品は二次小説として、
変にキョン文体を踏襲することなく原作に忠実であることに成功しているだけでなく、主人公の思い入れ、そして重要な彼女との関わりを豊かに表現しています。
「見えている」ネタの使い方もまた上手い。
さりげなくちりばめられた原作の欠片から文体は違えどあの雰囲気が蘇ってきます。
こういった手法もあるのかと感嘆することしきりです。
実のところ、この作品が投稿されたのは随分前で、自分もそこそこ「彼女」に思い入れがあった故に今日の今日まで読んでいませんでした。残念でなりません。
ただ、原作にもあった「見えている人」の行く末を思うと、この物語が続いたとして、やはり哀しい結末になるんだろうか、できれば彼も一瞬でもいいから、部室で過ごす時間が与えられたら、と想像を走らせずにはいられません。
得るところの多いお話でした。
ありがとうございました。