第314話 お爺ちゃんとお出かけしよう【闇は、苺大福】

あれから、続々と、ダイトカイトお爺ちゃん以外のお爺ちゃん達が、帰ってくる。皆には、もう一度出来たてのお団子などを用意すると、あにがとうと笑顔で言われる。

「マリアちゃんは、段々と家事が得意に、なってきているね」

「そんな事無いです」

 花嫁修業は、まだまだ先ですから……。

「上には、まだいるので、更に先を目指しています」と拳を高くあげる。

「アリア、もう、十分なくらいに、お嫁さんに、なれるほどのスキルあるよ」

「将来、ウィンお姉様のお嫁さんに、なるには、まだまだだと思うのです」

「そうだね、お姉ちゃんが、マリアを愛してあげるからね」

 周りの、お爺ちゃん達が、良い姉妹の光景じゃなと喜びながら見ている。

「お姉様は、好きな人とかは、いませんよね?」

「いないわよ、マリア以外」

「ルナちゃんとか、好きですか?」

「ルナちゃんは、第二の妹みたいだけど、マリアほどの愛は、ないと思うけど」

 たまに、この姉妹は、恋人のように、接しているが、標準語だから質が悪い。それでも、お姉様の言葉をしっかりと、マリア自身が、信じているので、あきらめるしかない。

「マリア、今夜の夕食何にするの?」

「そうですね、闇鍋、鯛鍋の二択て、決まっているですけど、どっちがいいですかね?」

 やみ、やみ、闇には、イカ墨を入れて味をつける、コトコト煮込む所に、白い雪見大福をレッツゴー。

「闇鍋だと、何が具なの?」

「そうですね、欠かせない材料だと、イチゴ大福ですかね」

「ゴトゴト」と煮込んだ時が――。

「鯛鍋は、魚あるの?」

「お爺ちゃんが、お土産で、七匹釣って来てくれてます」

「なら、今回、闇鍋は、デザートだから辞めておこうね」

 烏賊さんは、干して、一夜干しに、しましょうか――。

「解りました」

「そう言えば、明日は、ピクニック行くと、ダイトカイトお爺ちゃんが、さっき言ってましたけど?」

「そうだね、午後に、行く予定だね」

「午前中に、場所とか決めるらしいよ」

「それなら、デザートに、鍋持っていった方が、いいでしょうか?」

「どうしたの、マリア、そんなに、闇鍋したいの」

「いえ、闇が、深いかなと思いまして」

 一夜干しの烏賊持っていくのかな?

「冗談は、良いとして、どこかに、行きたい場所とかあるの?」

「そうですね、ありますけど、それは、明日聞いてみます」

「そうなんだ、分かった」

「それじゃー、や……、鯛鍋の準備しますね」

「マリア、闇じゃないよね」

「何を、言ってるのか解りません」

 鍋の下ごしらえも、終えて、米と具と鯛を入れて、「コトコト コトコト コトコト」と煮込むと、とても、美味しそうな匂いがしてきた。さてはて、ご飯も出来たし、鯛鍋つくらないと、お米で作った骨を取り出して、出汁としてつかう……。

「はい、皆さん、鯛めし、鯛鍋完成です」

「熱いので、ゆっくりと召し上がって下さい」

「ウィンお姉様、味見に、お口を開けて下さい、僕が、冷ました、このご飯を「あーん」して、あげますから「さぁ」どうぞ。

「それ食べたら、普通に、ご飯を盛ってね」

「はい、勿論です」

 皆楽しく、夕食を食べる、美味しいと言ってくれる、皆さんが、凄く嬉しくて、たまには、遊びに来るのも良い物だと、思いながら、夜の時間は、ゆっくりと更けていくのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る