寝ながら睡眠学習【紅編初級一】

 集会が終わりその後家に戻る事になり帰る事になった。

 帰ってくるとまだ子供の為か、体力が続かず限界がきて、急に睡魔すいまに襲われる。

 凄く大きな欠伸が口からこぼれる。


「そろそろ眠いので……」

「揺り篭で眠ってもいいですか(欠伸をしながら)」


 僕は、うとうととしている。

 すると机の上にあった少し厚い本をお母様が僕の目の前に持ってくる。


「ねぇ、マリア? 今日精霊様から頂いた魔法書なんだけど?」

「難そうな本だと言う事は分かる」

「だけど今の僕では、字を読む事ができないなと考えていると」

「マリア、私の方で読み聞かせるけどいいかしら?」

「お願いします」

「寝てる間も朗読するから睡眠学習になるわね」と微笑む。


 流石に、母親だけあって僕の事をよく理解してくれている。


「まだ字が読めないので、聞かせてくれて学べるなんて僕は、凄く幸せです」

「お母様ありがとうございます」


 僕は、満面な笑みで家族に微笑だ。

 そんな僕の言葉を聞いて、皆が無言のまま僕の頬にキスをして小声で可愛いよマリアとささやてくださる。

 ページをめくる音が聴こえてくる。

 とても綺麗な声がなんというか、子守歌こもりうたのように、僕の耳に入ってくる。

 そのまま僕は揺り篭の中で眠りへと落ちて行く。








 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 しばらくすると……。

 ボーとしている。たぶんこれは、夢のなかだろうか。

 眠っていた揺り篭が夢と一緒に現れる。

 そして、何故か紅の精霊様が僕の揺り篭を持ち上げて、平らな岩に置いてくれた。

 それからゆっくりと言葉が聴こえてくる。

 どうやら夢の中で一カ月魔法を教えてくれると言うことらしくある意味これは、睡眠学習と言って要るみたいだった。


「これは、凄く楽しみです」


 狐の一族は、火が主流であり専門だった時代があり一番親しみある魔法だったらしく。

 そんな話が、語り始まる。

 それでは、紅の精霊様がこれから初級、中級、上級魔法を教えましょう。

 精霊についての話と精霊魔法以外にも魔法が存在する事や精霊魔法でも光系と闇系につらなる魔法がある事を教えてくれた。


「なるほど色々ありますね」


 例えば闇精霊様の魔法だと魅力や誘惑などの魔法があるらしいが、その精霊よって学ばないと学べないと言う事らしく、属性事に学ぶ分野が違えばそれだけ覚える事も違ってくる。

 それによって、内容も増えていくらしいと話す。

 そして、僕は、生まれたばかりと言う事で、一日の睡眠時間が長いと言う理由から学べる事が多い意と言う事が分る。


「色々考えているんだな」


 それに対しての属性も一カ月の期間でかなり学べると言う事が分かる。

 それによって、実戦なども大人になれば家族が教えてくれるだろう。

 最低でも歩けるようになってからと僕の中でそう思ったがそれまでは結構時間が空いているなと思いながら精霊様と学ぶ事が優先になってくる。


 今日は、実用的に使える火の魔法について勉強が始まる。

 ただ不思議な事は、何故か精霊様が話すと脳内に映像が浮かび魔法の言葉やイメージがスポンジが水を吸い取るように記憶がどんどんと入って行く感じだった。


「凄いイメージがどんどん頭に入ってくるよ」


 この睡眠学習は、人によって変わるらしく僕は、珍しい事らしい。

 そんな精霊さんとの学習は、僕の心が躍るように、楽しい時間が過ぎてゆく。

 気づくとあっというまに、朝を迎えた感じになるのだった。

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