家族と集会

 僕が言葉を喋ってから約一時間の時間が過ぎた。

 家族内では、凄い騒ぎになったがようやく落ち着きを取り戻した。

 そしてゆっくりと、お母様から一族についての話を聞かされるのだった。

 普通は、生まれて来たばかりの子供に、そんな話はしないのだが、僕が喋った事で結構知識がある子供だと認識したので、今回一族についての話を使用と言う事になったらしいと聞かされた。


「私達の一族は、『フォルト』と言う族長で伝統ある家系なのよ?」

「ここにいる狐族の民を約四百人を治める一族なの」

「簡単に言うとここの村で、一番の族長がマリアのお父様て事なんだけどここまで理解出来た?」

「はい。理解出来ました」

「そして、マリアンローズが、生まれてきてそんなに時間も経ってもいないのに、喋れる事が大きな事件なのよ?」

「なるほど」


「歴史から話をしていくわね」

「今から二千年も続く狐族なのだけど、そんなに長い歴史の中で生まれて間もなく言葉を喋れたのは、たぶんマリアンローズが初めてなのよ」

「その事が、凄い事だから、一族全体での大きな報告になりそうなの」


 これから、民族衣装に着替えて、マリアとウィンを連れて、さらに私と族長である


「ユウトウカシュ・フォルト」を連れて行く所があるの」

「それにね、民族と一緒に、盛大にお祝いをする事になるのよ?」

「お母様のお話分かりやすいです」

「それくらいおおごとな事が、喋ると言うことなんだけど……」

「流石にそこまでは、理解は、無理よね?」

「大体理解しましたよお母様」

「あら本当に凄いわね」

「マリア、ここに存在する種族にはね、守りし神として、精霊様と、話し合いがもたらされるのよ?」


 多分もう数時間がたったら、話の場が出来るはず……。

 それにマリアンローズがもつ属性が、何の属性になる事が、凄く気になるわね。

 そんな話を、抱っこされたまま、お母様から聞きながら、ゆっくりと時間が過ぎていく。

 呼ばれたと同時に、四人家族で、大きな広場へとゆっくりと足を運んだ。

 集会には、民族代表のお父様と民族四百人の全員が集る。

 それと、見た事無い頭の所に、耳が無い者達が、目に映る。

 それも、六人もいる事が解った。


「ねぇ、お母様」


 僕は、呼ぶと振り向いてどうしたのと聞いてくれた。


「僕達と違う種族の人が六人いますけどいったい誰ですか?」


 そんな言葉を聴いて、驚いた顔をする……。

 それもお父様、お母様、お姉様の三人がだ。

 ゆっくりと、お父様の口が開き話す。


「あそこに居る人達は、精霊様だ」


 凄く考えたような顔をしている。


「えっと、6人もいたっけか?」


 お父様からはなしかけられる。


「マリアよ、特徴として、色を言ってくれないか?」


「えっと右から順番に、色はですね」

「紅、緑、青、茶、白、黒の六種類です」


 僕は、ゆっくりと聞こえるように言葉を伝える。

 そんな言葉を聴いたお父様から言葉がもれる。


「俺でも見れる色は、紅、青、茶だし……母さんが紅、青、白だろう?」

「ウィンが、見える色は、紅、緑、青だけど……」

「黒て、俺達には、見えない色だが、過去に先祖に、たしか見れた者がいたと聞いた事がある」

「マリアは、本当に全色見えているのか?」


 お父様がいきなり発言する。


「これは、いろいろやばい気がしてきたぞ」


 僕は、お父様に疑問をぶつる。


「そんなに、全部見える事が凄い事なんですか?」

「何がヤバいかと言うとだな、マリアが契約出来る属性は、全部で六つって事になるだけど」

「この大陸で、それだけの属性を持つ者(人)は、存在してない訳だが……」

「マリアよ、今から教える魔法を唱えてもらっていいか?」

「【鑑定】と、唱えてくれないか?」とお父様から声がかけられた。


 僕は、「【鑑定】」と自分に唱える。


 名前 :マリアンローズ・フォルト

 種族 :狐(優秀な歴史ある族長の娘:次女)

 性別 :女

 年齢 :0(生まれて半年)

 ジョブ:なし

 LV :01

 HP :50

 MP :100

 力  :0

 敏捷 :0

 体力 :10

 知力 :200

 魔力 :20

 運  :100


 パッシブスキル

 無し

 

 アクティブスキル

 言語理解(存在する全ての言葉を通訳し、喋れる)

 錬金術マスター


 固有スキル

 鑑定(存在する物全てをステータスで見れる)

 アーティファクトマスター

 精霊が見れる(精霊が見れて、なおかつお話も出来る)



 装備:無


 武器:無し

   

 防具:赤ん坊が着るおしゃれな民族衣装


 装飾:無し


 道具:無し


 ロールプレイングの様に、表示される。


 お父様に、ステータスの状態を教えるとかなりびっくりした表情をする。

 精霊が見れて、それ以外にも、錬金術とアーティファクトがある事が珍しくてそこにも驚かれた。

 取りあえず皆には、属性が凄い事だけを伝えて、他の事は保留にして、報告をする事に決まりゆっくりと語ると、その事で大騒ぎになる。

 精霊がこの歳で見れる事が、凄いと絶賛されるが、さすが領主様のお子さんだと言う言葉も何百人の人から言われるのだった。


 そんな中でゆっくりと六人の精霊様が、マリアの周りに近づいてくる。

 精霊様が、僕の額に、一人ずつキスをしてくださり、恩恵を与えていく。

 与えられる度に、全体を照らすような光が輝き始める。

僕の体全体も神々しい光で輝くと凄くポカポカとした温かみを感じるように、力が湧いてくる事が解った。

 この儀式によって新たに、六属性の精霊様の加護を頂き属性を覚える事に成功する。


「何か、覚えた」


 そんな中で、集会は大賑わいで楽しい時間過ぎて行き、たまに大騒ぎになったりもした。

 唯一、不思議と言えば何故か精霊様達が交代するごとに、優しく僕を抱きしめてくれると言う珍しい光景が見れた事に家族は、とても嬉しそうに眺めている。

 遠くからみた人達は、属性が無い精霊様を見た場合などに子供が宙に浮かぶ現象があると言う事があったりした事を不思議に見つめたりしたのだった。

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