7話

あの出来事遺跡の件があってから一日か二日は経った。

今、俺達は遺跡を抜けた後、攻略班の国軍に出会い、指名手配中の奴らが居るせいで逃げているという状況だ。本当に厄日だったらしい。

「にしても、山は広いなぁ。迷うのも仕方がないと言えるな」

「今がそうだけどね」

「あははは……」

そう、絶賛迷子Nowだ。

『死なないといいですねぇ。ちなみに、死んじゃったら契約はどうなるんでしょうねぇ?』

しらねぇ。と言いかけたが、ここは気合いで止めた。

気合いがあれば何でもできるかもしれない。言ってたろ?今政治家の人も、気合いだ、気合いだ、気合いだー!って。あれ、動物の方だっけ?

「さあ、どうする。食料ももうすぐ尽きるぞ?」

死活問題が近づいて来てしまったな。ああ、やばいやばい。

「僕は一回家に戻るよ。魔術で戻れるし。ここで死ぬよりかは随分とマシだからね」

「おいおいおいおい。ちょっと待ちなさい、待ちなさい。お前今家に戻るとか言ったか?」

龍孤が術式の書いてある本を開いて探しているときに、慌てて止めた。

今聞こえてはいけないことを言ってたよな。聞き間違いじゃなければ。

「うん」

お、おう。清々しくて良い笑顔だ。じゃなくて、

「なんで今まで使わなかったんだ!てか逃げる必要あったか?それならすぐに戻れたよな!?」

「ああ、さすがにあの群体国軍が近いあいだは使いたくなかったからね。この魔術は時間も手間も掛かるし、周りを巻き込む系の魔術だから」

「そ、そうか。すまん」

何で謝っているのか分からないな。まあ、反射的にか。

「じゃあ、起動するよ。皆、僕を中心に半径50㎝の間に来て。

なるべく早急に……ね」

龍孤は少し口角を上げ、どこか含みのある言い方をする。

その様子はどこか犯罪人エクスキューターのようだ。

「皆、入ったね。じゃあ行くよ、







”冥界”……にね」

ニヤリ、と口角を上げ、充血した瞳でこちらを見る龍孤は、犯罪人エクスキューターではなく、悪魔だったかもしれない。俗に言う前言撤回というものを密かにしてみた。

……そして、厄日というものは危険だと、心に刻んでおいた。

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本で戦う異世界戦線 夢嵐 @dream-stom

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