船内紹介

第7話劇的船内紹介

「オ帰りなさいマセ。シュウト様」

 シュウトが宇宙船コメットへ戻ると、人型万能家事ロボット、アサンド(R-3DO)が出迎えてくれた。アサンドも父親の会社で廃棄されそうになっていた所を父親が引き取って、この船の家事ロボットとして働かせている物だ。

 彼は掃除洗濯はもちろん、食事の準備から船内で消費された備品の補充まで全てをこなしてくれる超有能なロボットだ。このロボットも新品で買えば目の飛び出るほどの価格だが、イングスター家にかかればもちろんタダである!

 唯一の欠点と言えば……若干そそっかしい事くらいか。


「シュウト様。オ客様でございマスカ?」

「彼女はミルと言って、今日から一緒に旅をすることになったんだ。よろしく頼むよ」

「一緒に旅デスト!ソレは同棲されるということデショウカ!」

 ――ほら来た。

「いやっ、そうじゃなくって……とにかく頼むよ」


 そこでアサンドはシュウトが手に持っていた首輪に目をつける。

「シュウト様。ソノ首輪はイッタイ何デショウカ?」

「ん?あぁ、これはミルがしていた首輪で、彼女さっきまで奴隷だったんだ」

 シュウトはこの後なんて説明したら良いか迷っていると、アサンドは自分の口の前に両手を持ってきて全部の指をカシャカシャと動かすおかしな動きをしながら、

「ハワワワワワワ……ドッ、ドッ、ドッ、奴隷デスト!ハァーイケナイ、イケナイ」

その場でクルクルと回り出したと思ったら、どこかへ行ってしまった。


「なんかごめんね。悪いやつでは無いんだけど、ちょっとあんな感じなんだ」

 そしてアサンドの事を簡単に説明する。ミルは話を聞いた後にわかったというふう一度だけコクリとうなずいた。



 物語は一旦ここで時を止め、宇宙船コメット号の船内について劇的に説明をさせていただきたいと思います。

 ※この先の説明は物語の進行に影響を与えるものではないため読まなくても特に問題はありません。興味の無い方は次の話へお進みください。



 今回のお宅は築100年。メインスラスターを動かすと、ウ”ォン!ウ”ォン!と危険な音をさせていたこのお宅の改造に挑むのは、自称船内空間の魔術師、シュウト・ファザー。

 このお宅に匠は一体どのような改造を施したのでしょうか。


 居住部は3階層になっており、出入り口は2階部分にあります。

 出入り口から伸びる廊下をまっすぐ歩くと、右手側にアサンドの整備室、簡単な浴室があり、お子さんが外から帰ってきた時にすぐに汗を流すことが出来ます。

 出入り口から8m程歩くと物品庫に突き当たり、その左側には…

 なんとういうことでしょう!

 広々としたコックピットがあるではありませんか!コックピットには座席が2つあり、万が一どちらかが不慮の事故で天に召されてしまっても大丈夫。安心して旅をすることが出来ます。


 コックピット出て4mほどまっすぐ歩くと、右側にはトイレや簡単な用具入れ、そして父親の暗黒面がぎっしりと詰まった秘密の部屋があります。

 その部屋の前は上下階への階段になっていて、一段一段の高さがあまり高くない、お年寄りを気遣う匠の配慮が見られます。

 その階段から少し進むと左前には吹き抜けの広々としたリビングがあり、その広さは約50平米。

 そのリビングの天井を見ると…

 なんとういうことでしょう!

 青空が広がっているではありませんか!天井に貼り付けられた超リアルビジョンが夏の青空を映し出しています。しかもこの超リアルビジョンは時間ごとに夕焼けや星空などの美しい空を映し出し、リビングで一日中空を眺めていても飽きさせることがありません。もちろんリモコンによる操作も可能で、いつでも好きな空を眺めることが出来ます。


 下を見ていくと部屋の中央には緑に囲まれた大きな噴水。

 階段側の壁にそって対面型のカウンターキッチンを設けてあり、お母さんはいつでも家族の笑顔を見ながら料理をつくることが出来ます。

 そのカウンターキッチンの正面にはリビングの三種の神器。巨大なテレビとガラスの机、そしてふっかふかのソファーが家族を暖かく迎えてくれます。

 そのすぐ横にあるすりガラスで仕切られたスペースには、お父さんご希望の小さな書斎が。壁側に配置されたおしゃれな本棚の前には、雰囲気を大事にした木製の机と椅子。ここで本を読めばどんなに頭の悪い方でもきっと賢そうに見える事でしょう。ギャラクシーネットに接続が可能なパソコンも置いてあります。


 階段部分からまっすぐに歩いて行くと、右手に見えるのはリビングから強化ガラスで仕切られた開放感のあるスポーツジム。座っていることが多く運動不足になりがちな宇宙船生活でも健康的な毎日を送ることが出来ます。

 更に奥に進んだ先の右手にはコレクションルームが。こちらも強化ガラスで仕切られており開放感をより引き立てています。これから何かに出会うたびに思い出の品を一つ一つ残していけば、思い出により彩りを添えてくれることでしょう。


 先ほどの階段を登上り3階部分に行くと…

 なんということでしょう!

 作者が説明を書くのに飽きてしまいました!説明の中盤辺りから何度書くのをやめようかと悩んだ作者でしたがもう限界です!

 3階にはシュウトの部屋など人が寝起きをする部屋が6つあります。

 1階はすべてお風呂です。


 シュウト・ファザーの熱意と欲望が、この100年物の宇宙船を見事よみがえらせました。


 尚、今回の説明がどのような音声で脳内再生をされようとも、作者は一切関知致しません。



宇宙船コメットの船内見取り図です。

※作者は見取り図を描いたことも勉強したことも勉強する気もないド素人です。

 参考程度に御覧ください。


宇宙船コメット

http://17452.mitemin.net/i185248/


宇宙船コメット 居住部 1F

http://17452.mitemin.net/i186497/


宇宙船コメット 居住部 2F

http://17452.mitemin.net/i186445/


宇宙船コメット 居住部 3F

http://17452.mitemin.net/i185870/


宇宙船コメット 居住部 シュウトの部屋

http://17452.mitemin.net/i185871/


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