File.28 悪鬼を追え!
「近づくなと言っているのが分からないのかああああああああ!!!」
フィーンドが絶叫し、鉈を振るう。
すると、そこから今まで見せたことのない、多重の錆びた斬撃が騎士テイラーに向かって飛んでいった。
やはり、戦闘力が上がっているようだ。
ズドドドドドドドドドドドドォォォォ!!!
「ぐはぁ!!」
騎士テイラーのルークアーマーでも、その『秘力』は防ぎ切れなかった。
騎士テイラーは、斬撃が消えるまで押し飛ばされた。
「ああああああああああああああああああああ!!!!」
その様子を確認したのか、フィーンドは大声を上げながら何処かに走っていった。
このままでは逃げられてしまう!!
「待て!!」
ズダダダダダダダダダダダダ!!!
父親がサブマシンガンで、フィーンドの動きを止めようとするが、まるで効いてない。
画面の中から、フィーンドが消えてしまった。
「騎士テイラー! 大丈夫ですか!?」
父親が騎士テイラーのことを心配する。
「そんなことより、フィーンド氏を追って下さい! お前も!!」
だが、騎士テイラーは自分のことより捜査の方を優先させた。
流石は騎士……と言いたいところだが、騎士テイラーは辛そうだ。
何処かで手当てをした方が良い。
「分かりました!」
そう言って、父親はフィーンドが逃げた方向に走っていった。
父親を追って画面も動き出した。
「うわあああああああああああああああああああああ!!!!」
フィーンドの姿が見えなくなっても、フィーンドの絶叫は絶えず聞こえてくる。
「こっちか!!」
父親はそれを頼りに、フィーンドを探しているようだ。
しかし、それでは正確に見つけられるか分からないぞ……
「何処へ行った!!」
父親は住宅街を走り続けている。
だんだんと、道が広くなっていっているな……
このままだと大通りに出るんじゃ……
「ギャアアアアアアアアアアアアア!!!」
誰かの悲鳴が聞こえてきた。
フィーンドに襲われたんだ。
父親は、走るスピードを上げて、悲鳴の発生源に向かおうとした。
ビュゥゥゥゥゥゥゥン……
ビュゥゥゥゥゥゥゥン……
そして、父親は車の走る大通りに出た。
その大通りの脇で、フィーンドは片手に鉈を片手に男の死体を持って立っていた。
「近寄るなあああああああああああ!!!」
フィーンドは鉈を振り回して、錆びた斬撃を飛ばした。
「キャアアアアアアアアアア!!!」
「殺戮者か!?」
「逃げろ!!」
大通りということもあって、そこにはたくさんの人々がいた。
みんな、様々な驚き方をして、どんどん画面から消えていった。
ドガァァァァァァァァン!!!
パラパラパラパラ……
錆びた斬撃が建物に当たったのか、コンクリートの破片が降ってくる。
「動くな!!」
父親は勇ましい声を発して、フィーンドにサブマシンガンを向けた。
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