File.27 フィーンド再び
「うわああああああああああああああああ!!!!」
大きな悲鳴が聞こえてきた。
間違いない。
フィーンドの声だ。
「見つけたぞ!!」
父親の勇ましい声が聞こえてくる。
ズドォォォォォォォン!!
ズダダダダダダダダダダダダダダ!!!
『秘力』が爆発する音とサブマシンガンの銃撃音が同時に鳴り響いた。
父親とフィーンドが交戦状態に入ったようだ。
「俺たちも早く行くぞ!」
「はい!」
騎士テイラーがこちらを向き、ビデオカメラ持ちに言った。
ドガァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!
フィーンドは、もうすぐそこにいるみたいだ。
凄い破壊音がする。
「お前えええええええええ!! 俺の邪魔をするなああああああああ!!!!」
フィーンドは相変わらず暴走したままだ。
ズドォォォォォォン!!!
ドガァァァァァァン!!!
また、『秘力』をあちらこちらに撒き散らしているようだ。
ただ、これだけなら父親は死なないはず……
「ケインさん!!」
やっと、画面に父親の姿が見えた。
サブマシンガンと警棒を持って、フィーンドと対峙している。
ズダダダダダダダダダダダダダ!!!
「騎士テイラー! 援護をお願いします!」
父親は慌てているのか、そんなことを言った。
今までの戦法だったら、父親が援護する側だったはずだが……
「分かりました!!」
騎士テイラーもそれに気づいていないみたいだ。
こんなことを言っている。
だが、今の2人にそんなことを気にしている余裕はないだろう。
目の前に、問題の殺戮者がいるのだから……
「お前らああああああ!! また、俺を苦しめるのかああああああああ!!!」
フィーンドが鉈を振り回して叫んだ。
鉈から錆びた色の斬撃が飛び出す。
ズダダダダダダダダダダダダダダ!!!!
その斬撃に向かって、父親は走りながら銃撃をした。
やはり、フィーンドの『秘力』は弱いのか、銃弾で斬撃は消え失せた。
その隙に、騎士テイラーが前進していき、フィーンドに近付いていった。
「近づくなあああああああああ!!!」
だが、前回と違い、今度はフィーンドが騎士テイラーに狙いを定めて『秘力』を放った。
前回より判断力が上がっているみたいだ。
「なっ!?」
騎士テイラーは驚いたが、ルークブレードで的確に裁き、防いだ。
ズダダダダダダダダダダダダダダ!!!
そこにすかさず、父親が銃撃を加え、フィーンドの動ける範囲はどんどん狭まっていった。
騎士テイラーは更に前進し、フィーンドのすぐ近くまで来た。
これで、決まる!!
……?
だが、これでは父親は死なない。
この後、何か起きたんだ……
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