File.15 鉱山の調査
しばらくすると、何人かの汚い作業着を着た人々が集まっているところが見えてきた。
おそらく、その人々がこの鉱山で働く鉱員なのだろう。
作業道具を持っていないところを見ると休憩中なのかな?
「すみません!」
父親が大きな声で、集まっている鉱員を呼んだ。
「え?」
「おい、何だよ。警察かよ!?」
「それに騎士もいるぞ」
「いったい、何があったんだ?」
鉱員は一斉にこちら側を向いた。
そして、それぞれ色んな驚き方をする。
「あの~、フィーンド氏について訊きたいことがあるのですが……」
今度は、騎士テイラーが鉱員たちに訊いた。
「え? フィーンド?」
「そういや、昨日から来てねえな……」
すると、鉱員たちは顔を見合わせて、フィーンドについて話し始めた。
「そのフィーンド氏が、殺戮者になってしまいまして……」
「はっ!?」
「嘘だろ!?」
騎士テイラーの発言に、鉱員たちは一様に驚いた。
まあ、身近な人が殺戮者になるなんて、そう簡単には思わないだろう。
「何で、あいつが……」
1人の鉱員は、悲しそうな表情になった。
「何かフィーンドが殺戮者になる心当たりがある人っていませんか?」
「心当たり?」
「心当たりねえ……」
父親の質問に、鉱員たちは全員悩んでしまった。
余程、心当たりがないのだろうか?
しばらくして、1人の鉱員が話し出した。
「あいつは、良い嫁さんと息子を持っていたし、俺らの憧れみたいな奴だったんだよ。とても殺戮者になる奴だとは思えなかったな……」
うーん……
日常生活から殺戮者になる理由は特にないのか……
やはり、謎の武装集団が関わっているのだろうか?
「もっとフィーンド氏に関して詳しい人はいませんかね?」
「うーん、あいつの嫁さんくらいじゃねえかな……」
だが残念ながら、そのフィーンドの妻はフィーンド自身によって殺されてしまっている。
「あいつと一緒に作業していたやつって誰だっけ?」
「えーとー……ああ、ハイドだハイド!」
どうやら、鉱員の1人にフィーンドと一緒に仕事をしていた人がいるみたいだ。
「その人に会うことってできますか?」
「ああ、ちょっと待て。呼んでくる!」
1人の鉱員が、そのまま画面の奥の方に走っていった。
「おーい、ハイドはいるか?」
「ハイド? ハイドなら、今作業中だぞ!」
「すぐに呼び戻してくれないか。警察と騎士が用があるってよ!」
奥の方から、鉱員同士が喋っているのが聞こえてくる。
ハイドは近場にはいないようだ。
これでは、事情聴取ができないよな……
「警察!? それに騎士だって!? 分かった、すぐに呼び戻す!!」
だが、事情を聞いた鉱員の誰かが異常事態だと分かったのか、ハイドを探しに行ったようだ。
何とか事情聴取は、行えそうかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます