第55話 嫉妬深い恋人
ぼくは友人の智哉くんと一緒にラーメンを食っていた。
「智哉、由香里ちゃんのことで悩んでいるんだって?」
「そうなんだよ。本当に毎日、辛くてさ。電話履歴とかメール履歴を全部チェックしてくるし、自分の知らない女とは会うな、口聞くなっていってきて、今、由香里以外の女と会うことできないんだ。尾行してくるんだぜ、マジで」
「マジかよ」
「ちなみに、今も尾行されているから」
「マジかよ」
「どうしても仕事で女と会わないわけにはいかないから、由香里のやつ、時々、抜き打ちで職場に確認に来るんだ。そんでかわいい女や若い女を見つけると、顔付けて帰って来る。すごいよ、本当に」
「マジかよ」
「それで、束縛されて本当につらい。いつか、おれ、由香里に殺されるんじゃないかって思うよ」
「いいのかよ、智哉。おまえ、それで」
「いいんだよ。おれは由香里が大好きなんだ。世界でいちばん愛している。由香里に殺されるなら本望だ」
結局、ただののろけ話だった。おれはラーメンを食ったら、帰った。智哉は由香里に電話していた。
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