第52話 うんこコンピュータ
あるところに科学者がいた。彼はうんこを研究していた。
科学者は美少女に聞いた。
「きみのうんこに対する感情を教えてくれ」
「くさい。汚い。見たくない」
「しかし、うんこを征するものは生態系を征するとは思わないか。うんこの排泄の原理を制御して、排泄物コンピュータを作るのがわたしの長年の夢であり構想なのだ」
「排泄物コンピュータ? どうやって作るの」
「それは、例えば、うんこを排泄するを1として、うんこを食べるを0とした二進法によって計算機とするとか」
「本当にそんなことできるの」
「うーむ、正直にいうと難航している。だが、うんこを出す食べるの二進法ではなく、アミノ酸二十種類の二十進法で計算機を設計すればできるかもしれない」
「無理だよ」
「だが、生態系がうんこを食べて成立しているのは疑いがないだろう」
「それ、ちがうよ。まちがった知識だよ。生態系はうんこを食べて生きているんじゃないよ。死体を食べて生きているんだよ」
「なんだと!」
「おじさん、そんなことも知らなかったの? うんこの成分は、60%が水。5%は食べ物の食べ残し。だけど、20%は腸壁細胞の死骸。15%は腸内細菌の死骸なのよ」
「なんだと。それでは、うんこコンピュータを開発して生態系を作るわたしの夢は実現しないではないか」
「残念だったね、おじさん」
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