「おれ、絶対に地球が異常だと思うんだよね」

　と彼はいいだした。

　ちょっと酒も入っていた。

　彼は熱弁する。

「基本は地底人だと思うんだ」

　わけがわからないが、そうだ、そうだとうなずくしかない。

「そう考えれば、すべてのつじつまが合うんだ。地球だけ特別なんだ」

　そのとおり、と答えるしかない。

「月、火星、金星、全部、地底に住んでると思うんだ、宇宙人は」

　ああ、そういうことか。

　やっと理解に至り、ほっとする。

　しかし、言い返すこともできない。

　いないという証明はわたしにはできない。

「絶対に地底におるはずやねん」

　そうだ、そうだ、とわたしは答える。

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