第19話 ドリルミサイル

 あたしは美少女沙織ちゃん。今、宇宙海賊の艦隊と戦争をしているの。

「司令、宇宙海賊の艦隊四百に対して、我が軍はただ一隻。いかがしたらよいのでしょうか。我らに勝ち目などありましょうか」

「愚か者が。宇宙の艦隊船といえば、ドリルミサイルの使い方の優劣で勝敗が決まると決まっておる。ドリルミサイルの準備はいいか?」

 あたしは、地球艦隊(一隻しかないけど)の司令官。見事、宇宙海賊を倒してくれようぞ。

「司令。それが、ドリルミサイルは三万発用意しましたが、いったいこれをどうするつもりですか?」

「わからんのか? 愚か者めが。そんなこと、貞淑な淑女たるあたしがいえるわけないだろう」

 あたしの考えはこうだ。戦場を征す者は女を征す。女を征すものは、ドリルミサイルだ。 三万発のドリルミサイルが、異星人の女の秘所を狙って進軍し、突撃し、突貫し、異星人の女は地球のドリルミサイルのとりこになり、みごと、我が軍が勝利するのである。

 この作戦を説明するのは、恥ずかしすぎる。しかし、技術者たちも、あたしの意図するところをよく汲んでくれた設計をしてくれて、まさに我が意を得たるドリルミサイルが完成したのであった。


 のちにいう、変態戦争である。彼女の手記はここで途絶えている……

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