第7話 平和な朝食
ぼくは杉田恭平。平和な温かい家庭に育つ中学生である。家族でいつも通りの朝食を食べていた。
朝は、ごはんに味噌汁、納豆である。家族そろって食べている。
「父さん、昨日は残業で遅かったね」
ぼくは気軽に父親に話しかけた。
「ああ、恭平、ちょっと注文が多くてね。仕事がたまっちゃったんだよ(な、わけあるか、くぞ坊主。昨日は一人暮らしの女を見つけて押し込み強盗しとったんじゃ。家庭などというくそつまらんところに急いで帰ってくるわけなかろう)」
「そうなんだ。母さんが心配してたよ」
「ええ、そうよ(な、わけあるか、くそガキ。昨日は、おまえが勉強している間に、ピザの配達のお兄さんとエッチしとったんじゃ。旦那が帰って来ないことなどお見通しじゃ)」
かちゃかちゃと食器が机に当たる音がする。
「父さんもたいへんだよな、かずみ」
妹のかずみに話しかける。妹はまだ小学生だ。
「うん、そうだね、お兄ちゃん(な、わけあるか、くそアニキ。昨日は、ママと配達屋さんのエロ動画隠し撮りしてインターネットに配信しとったんじゃ。気づかんのはおまえぐらいじゃ、ボケ)」
ふう、朝食を終えたぼくは、中学校へと出かける準備をしなければならない。
「ごちそうさま」
な、わけあるか、くそ家族が。ぼくは、学校サボって、昨日、父さんが押し込んだアパートに再襲撃に行くつもりじゃ。あの女が被害届出しとらんのは確認済みじゃあ。あの女、親子丼やで、ほんまに。人が毎日、大人しくしとると思っとったら、大まちがいやぞ。
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