第2話 カレー
「今日はカレーだ」
「昨日もカレーでしたな」
「たぶん、明日もカレーだ」
「こうして毎日カレーを食べている間に、同じ一日の中に閉じ込められてしまうわけですね」
「今日はカレーだ」
「おお、同じ一日がくり返されている。これを防ぐためには、カレー以外の料理を頼むしかない」
「今日はカレーにしようと思うんだ」
「あの、カレーではなく、カリーにしてくれませんか」
そして、食事はカレーからカリーになった。カリーなら、何度食べても大丈夫だ。
インド人もびっくり。
悩んでいる。最近、毎日毎食、食事がカレーなのだ。
「今日はカレーだよ」
ばくばく。
「今日もカレーだよ」
ばくばく。
「今日もカレーだよ」
このままでは死んでしまう。カレーはもう続けられない。しかたなく、
おれは提案してみた。
「今日の食事はカレーじゃなくて、カリーにしないか」
その後の食事は、カレー、カリー、カレー、カリー、カレー、カリー。
おかげで、食事は、変化に富み、おれも大興奮だ。インド人もびっくり。
おわり。
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