(4)KAT-TUN

1998年の終わりにV系バンドPierrotにハマりジャニーズから離れていたあたしですが、再びジャニーズに戻るきっかけとなったのは2005年の始め、ドラマ「ごくせん2005」でした。


未だになぜそれを見ようと思ったのかわかんないんですよね。だって松潤様が出演した前作はまったく見てなかったし、一体何がきっかけで見ようと思ったのか。しかしそれはさておき、1話を見て亀梨くん演じる竜にハマりました。キャラ萌えです。


未だNo.1ですね。映画、ドラマ等のキャラで竜以上に萌えたキャラはいない。もうほんとあのキャラはツボだったんですよ!! で、毎週楽しくドラマを見るうち亀梨くんと赤西くんはジャニーズJr.中のKAT-TUNというグループに属していると知り、一体どんなグループなんだろうと思った訳です。


当時CD屋で働いており、ごくせんの放映が始まった頃からでしょうか、KAT-TUNのコンサートを収録したDVD「お客様は神サマーConcert 55万人愛のリクエストに応えて!!」の取り寄せをするお客様が増えていました。勢いあたしもそれを取り寄せ、見て——赤西さんに転びました。


ええ、きっかけは亀だったんですよKAT-TUNに興味を持ったの。な・の・に! 歌って踊る姿を見たら思いっきり赤西さんを好きになってたっていう……。まぁこれも運命なのでしょうか。赤西さんを好きになり、歌って踊る姿がもっとたくさん見たいとその後いろいろ買い集めました。KinKi Kidsとタッキー&翼のコンDVD、SHOCKとDREAM BOYの舞台DVD、ジャニーズ体育の日FAN感謝祭、他にも幾つか。見るごとに赤西さんへの熱が上がり、まさか自分がこんなにジャニーズにハマるとは、と思ったほどでした。


そして赤西さんがどんな人なのかを知ってゆくと同時にKAT-TUNがどんなグループであるのかも知ってゆきます。赤西さんはもちろん、他の5人も皆どこかしら繊細で不器用な子達なんですよね。というか今ひさびさにKAT-TUNのデビュー曲「Real Face」のMVを見ているのですが、見てたらボロボロ泣いて「うわーそりゃ好きになるはずだわ!」と思いました。どっからどう見てもV系です、ジャニじゃねえ。


いやあのね、この子達って根底にあるもの、心情、がV系だと思うんですよ。「かつえている」。自分達の身の置き場を探してもがいているというか、「ままならない」という思いを抱えて必死なんだなと。


それまであたしのジャニーズに対する認識は「ファンを幸せにするアイドル」でした。中の人のリアルな心情はさておき、ただただファンにポジティブな感情をあたえてくれる人達。しかしKAT-TUNは違います。中の人のリアルな感情がむき出しで隠そうとしてもまったく隠れていない。幸せにしてくれる一方でひりつくような痛みも伝えてくる。彼等の存在はある意味「切実な叫び」のよう。


今までそんなジャニーズがいたでしょうか。否。そしてそれは同時にV系にハマる人々の心情ともシンクロするものでした。——というかあたしの。


かつえている、身の置き場がない。自分が何を欲していて何を手にすれば満たされるのかわからず、もがき足掻き、自分自身をも傷つける。誰かひとりではなく、6人が6人ともそうであり、それがKAT-TUNというグループです。当時同じような思いを抱えていたあたしが彼等に共感しないはずはなく、その繊細さや不器用さにふれるたび思いは深くなり、いつの間にか赤西さんだけでなくKAT-TUNというグループそのものを愛しく思うようになっていました。そして同時に「ジャニーズで初めて好きになったグループ」になりました。


今現在のKAT-TUNは4人です。赤西さんと聖が脱退し、4人のグループになってから1年が経とうとしています。デビュー後半年で赤西さんが語学留学のためグループを離れ、それから今までいろんなことがありました。本当にいろいろ、いろいろ……。


正直熱は下がっています。赤西さんが抜けたことが大きいです。けれど赤西さんが抜けても聖が抜けても、KAT-TUNがKAT-TUNであることに変わりはない、と今の彼等を見ていて思います。いろいろなことがあって、年を重ねて大人になって、立ち回りが上手くなったりいろいろな事を上手くこなせるようになったけど、根底にあるものは変わらない。


自分が何を求めているのか、居場所はどこにあるのか。それを知り以前よりいろいろな事柄から自由になったものの、相変わらず傷つきやすく不器用な顔を見せる。そしてそれを見るたびに彼等を愛しいと思うし、がんばり続けて欲しいと思う。


初めて好きになったグループだからでしょうか、熱が冷めても、あまりその姿を追わなくなっても、彼等を思う気持ちは心の中にあるのです。

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