(3)Pierrot
「8時だJ」の放送が始まったのは1998年4月15日。滝沢だけでなく翼、山P、斗真、ヨコヒナすばる、他にもいろいろ、たくさんのJr.が出ていて楽しい番組でした。未だに松潤様がおっさん達にビシバシダンス指導していた姿が忘れられません。
しかしその年の夏の終わり、あたしはPierrotというヴィジュアル系バンドと出逢い、その後彼等にどっぷりハマってゆくことになります。
「あたしはバンギャルじゃない、ただPierrotが好きなだけなんだ!」
このフレーズ、本当にいろいろ応用がきいて便利ですね、さすが野島伸司です。……ではなくて。
そう、BY-SEXUAL、LUNA SEA、黒夢という道を通ってきたけれど、あたしは決してV系というジャンルが好きな訳ではありませんでした。Pierrotと出逢った頃というのはいろいろな可能性を秘めたV系バンドがたくさんあってシーン的におもしろかった気がするけど、でもハマったのはPierrotだけでした。
どこにハマったのか、それはまず楽曲の世界観です。特にアルバムは緻密に計算されて書かれた小説のようで、それをどう読み解くか、解釈するかがとてもおもしろかった。たとえるならエヴァンゲリオンのようと言うか。歌詞の中で描かれる主人公、アルバムを聴き進んで行く中でその主人公がどういう物語を紡いでゆくのか。小説ではないから詳細に書かれることはなく、それゆえ歌詞をどう読み解いてゆくかが余計楽しかったのです。
そしてそういうおもしろさが多かったものの、Pierrotはそれだけのバンドではありませんでした。
当時のあたしは今よりずっと「生きづらさ」を感じていました。彼等はそれを救ってくれたし、生きづらさを解消するための道筋をあたえてもくれました。今思い返すと彼等が楽曲を通して一番に伝えたかったのは「生きろ」ということなのかな、と思うのですが、彼等のお陰でつらいことを超えることが出来たし、「自分は生きていてもいいのだ」と思えるようになれたのでした。
滝沢もあたしを救ってはくれたけど、気づくとpierrotの存在が自分の中で大きくなり、彼等に支えられ、その楽曲がなければ日々を過ごすことが困難になってゆきました。
しかし「生きづらさ」が解消されつつあったためか、それとも他に理由があったのか、あたしは再びジャニーズに興味を持つようになります。2005年の年の始め、ごくせんがそのきっかけでした。
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