realを追及したシステムと広大なるfield
━まずは皆様に、システム概要を説明しよう━
皆様は、3Dシアターやイベントなどの体験はあるだろうか。その場所へ赴き、体験するものだ。お届けした《Cyber-Goggles》は試作品だが、その機能を元に発案された。3Dもまた、virtualなのである。しかしながら、我々は更なるrealityの追及をしようと考えた。生身とholographyの融合を目指した。holographyを如何に実体化するかに念頭にいれ、データを開発した。
《Opening Ceremony》で召し上がったお菓子、会場。全て『本物』だと言ったら、驚かれるだろうか。そう、その《Cyber-Goggles》は軽量化に成功した、瞬間転移装置なのだ。では、あの場所はどこだったのか。お知りになりたいだろう。
あの場所は、あの場所こそが『始まりの地』に選ばれた、『聖カランコエル皇国皇城』だったのである。皆様が見た景色は、現実にある光景だったのだ。瞬間転移装置など、未来の産物だとお思いのことだろう。しかし『聖カランコエル皇国』・『天神星』・『黒神星』では既に完成し、それが国同士の移動や交通手段の一部となっている。
RPGによくある、登録をしたらどんなに遠くても一瞬で移動出来るあれだ。けれど、試作品はゲームシステムに対応した、『聖カランコエル皇国』のみ、使用が出来る。正式版になるまでに完成させ、皆様にとってより扱いやすく便利なものにしたいと考えている。
まず、なぜ『始まりの地』に『聖カランコエル皇国』が選ばれたのか。それは姫様の祖国であることは勿論だが、国土の三分の二が自然地帯であるからだ。森林や海、草原と砂漠など全てが揃っている。holographyでmonsterを出現しやすい環境にあるわけだ。自然が自然らしく存在する場所ならば、臨場感も得られるだろう。"cyber-goggles"を着用している者だけが、五感で体感できる仕様だ。勿論、β版開始からその機能は発動する。
更なる理由に、国民が実に協力的なのだ。まさかの二言返事である。
━例をご紹介しよう。
『case1宿屋なる宿泊施設の確保
民宿からホテルまで、player向けのリーズナブルなお値段でのご提供
更に従業員を増やし、開始日から二十四時間営業に切り替え』
『case2休憩所の確保
『皇城』の中庭解放
『城下町』内の民家全て、八時から二十二時までの訪問許可(遊びに来てね的なノリ)』
『case3飲食店の確保
全てのお店の買い物、食事をplayer価格でご提供
更に週に一回『皇城バルコニー』にて、幻光の双子の姉であり、専属シェフの幻黒炎のフルコースおもてなし(こちらは無料である)』
まさに、日本フリーク国家である。国民全て、大歓迎ムード。寧ろ、お節介まで焼いてくれるだろう。
問題は言語だが、そこはシステムでカバーされる。翻訳こん◯ゃくなどという、便利アイテムはあるはずがないからだ。全てのplayerに専属NPCをつけるわけにはいかない。ツアーではないのだから。手透きのメイドや使用人はいるが、流石に人数が足りない。
そこで登場するのが、『cyber-goggles連動スマートフォン』である。"Opening-Ceremony"では、"cyber-goggles"のみで問題はなかったが、ゲームが開始されれば必要となる。
開始前夜に郵送される手筈だ。機能は至ってシンプル。機能説明をさせて頂こう。
1.自動変換システム
先の言語問題に活躍する機能
添付のコードレスイヤホンマイクを装置して頂き、専用アイコンをクリックするだけ
話している言葉がお互いに自分の国の言語に聞こえる画期的機能だ
2.アドレス帳
ゲームでよくある、friendlist機能
赤外線で、事前に発行されたゲーム内アドレスと番号を交換しよう
登録に制限はない
3.通話・メール機能
そのままの携帯機能
ゲーム内のみで、通話やメールが可能
制限はないので気軽にどうぞ
ゲーム内友達と共に、クエストや交流を楽しんでね
4.マネー通帳
ゲーム内マネー管理機能
お札や小銭はない
全てデータ管理されている
出入金の数字や事由まで克明に
上限はないから、ブラックカード並に貯められる
5.地図機能
現在地や、登録した友達がどこにいるかがざっくりわかる機能
しかし、ログインしてないとわからないよ
6.カメラ機能
思い出に写メろう
撮った写真は、自分のPCや携帯に転送も出来るよ
これで、学校や職場でも淋しくないね
7.スピーカー機能
全体チャット機能
音声でお知らせをしたり、公開告白とか
……リア充は爆破されちゃえ☆ミ
他にも細かい機能はあるが、多様されるだろう機能を説明させて頂いた。NPCにいるアーティストの楽曲ダウンロード機能や、NPCのインアウト確認機能がおおまかだろうか。因みに、楽曲ダウンロードにはゲーム内マネーが掛かるので稼ごう。施設利用や買い物にも大概、ゲーム内マネーが必要になる。
次は装備に関してだろうか。ぶっちゃけよう。jobに合わせた衣装に拘る必要はない、要は。
\着たい服が戦闘服だ/
キャラクター作成時には、選んだ地味なjob服になっている。だがβ・製品版問わず、初日に好きな服をプレゼントしよう。城下町にある、洋品店のどのお店のものでも構わない。しかし、戦いに赴くことを忘れない服選びの推奨だけはさせて頂こう。確かに、舞踏会に赴くような洋品店もある。釣りに赴く"ような釣具・洋品店なる店もある。血迷ってはいけない。動きにくかったり、用途の違うものは必要に応じて購入願いたい。
回復薬や装備などの戦闘に必要なアイテムは、城下町の中ではあるが、少し人気のない場所にある。ゲームのために、貴族私有地の更地を買い取って建築されたからだ。まるで、リアルな空間になっている。実際は建物だけで、中に商品はない。ある一角を"cyber-goggles"を掛けて抜けると、同じ建物なのに中にはゲームさながらのアイテムがところ狭しと並んでいる。これこそ、『realを追及したvirtual』と言えるだろう。monsterと同じく、五感で感じられるのだ。
━ここで、皆様に警告をさせて頂こう━
第一に、森や海や砂漠などに立ち入る際には、戦闘・非戦闘問わず"cyber-goggles"の着用をお願いするものとする。realのmapとvirtualのmapは別物であると共に、皆様の安全確保のためである。realのmapでは、方位磁石ですら役に立たない迷宮だ。有事の際は捜索をするが、安易ではないことを警告する。
第二に、map完成していない『火山地区』・『氷山地区』・『雷山地区』への立ち入りを制限するものとする。こちらは製品版と共に解放予定である。
第三に、『私有地』への立ち入りを固くお断りする。数年前まで対立していた『元大臣派』の領地が一部に点在している。こちらは間違っても立ち入らないように。皆様の命の保証はない。良くて捕虜、悪くて目視直後に殺される可能性が高い。その領土を統治しているのが、御年百三十になる老婆だ。高齢だからと敬ってはならない。悪意の塊だからだ。立ち入りを確認したら、alarmがなるが救助が間に合うかは保証出来ない。皆様には、自主的に立ち入りをご遠慮頂きたい。
player各位には、不安になられる方も多いだろう。しかし、指定field内の脅威は二十四時間体制で管理させて頂くので、安心してplayして頂きたい。何か危険を感じたら、運営や近くのNPCを頼って頂こう。一人一人が、脅威に立ち向かえるだけの能力を有している。今まで安易に観光spotに出来なかった事由がここにあったのだ。自然現象・人為的な脅威、全てが皆様の想像を絶するlevelであることを念頭に入れておいて頂きたい。従って、こちらが整備したfield内でのplayを推奨させて頂きたい所存である。
━製品版から解放されるfieldの紹介をしよう━
『天神星』・『黒神星』の二大国家だ。
『天神星』は、国民こそ地球の皆様と寸分変わらない服装をしている。けれど、地に足がつかない国である。全て『AIR』、空気を活用しているため、『空中国家』となっている。未来絵図のような光景を想像されるかもしれない。だが、建物自体は皆様の日常風景と何ら変わらないのである。
特徴としては、警察機関が中心となっている。だからと言って、犯罪者が少ないわけではない。警察機関は、特異なレーザー銃を駆使し、日々犯罪者の確保に勤めている。
皆様のここでのゲーム内容は、まさに"『犯罪者の確保』である。
警察関係者が担当する犯罪者をrankごとにクエスト化して、皆様に対応して頂く。その名も、『real-military-game』。
皆様の安全を確保するための措置として、危険な犯罪者の場合は担当警察官が援護可能範囲に待機しているシステムである。皆様の中には、銃のカスタマイズに興味のある方も多いだろう。日本やアメリカなどで、扱われている様々な銃の、レーザー銃に変換したものをご用意させて頂いた。さながら、ゴ◯ゴ13体験も可能である。
皆様に注意して頂きたいのは、警察機関と同様にチームで行って頂くこと。緊迫感体験が同時に行えるのである。情報から作戦を立て調査し、実践する。
お気づきのことと思うが、機密事項は厳守して頂く。ゲームではあっても、real体験だ。外部に詳細は漏らさないよう、固くお願いしたい。事前に同意書のsignもして頂くので、ご理解頂きたい。宇宙規模の、SFさながらの本場の臨場感を命綱(担当警察官)つきで体験して頂く予定である。
最後にカスタマイズについてだが、『規制』はない。好きに改造するといい。要は、基本的に殺さずに確保出来ればいい。緊急levelに達した場合、レーザー銃のストッパー解除が自動で実行される。音声guidanceに従い、対応して頂きたい。
同意書に明記してある事項だが、万が一上記事由が起きた場合、犯罪者を殺すのはあなたかもしれないことを重々、ご理解頂く。
もう1つ明記しておこう。銃には、センサーが内臓されており、担当クエスト以外の犯罪者も感知してしまう。担当playerがいないと表示されたなら対応可能だが、近くに担当警察官がいない可能性がある。情報を駆使し、的確な判断を求められるのだ。危ないと判断したならば、速やかにその場を去ることをオススメする。player各位は、自らを最優先に考えて行動して頂きたい。センサーには、精神状態がカラーで表記されている。オレンジから赤の範囲は、levelが低くても警戒して行動しよう。
既にそこまでのシステムは完成している。後は微調整と、皆様のご来場を待つだけである。
最後に『黒神星』、こちらの大国は、『軍事国家』である。実は、多数の国々がひしめき合って形成された大国。常に戦争と隣り合わせだ。既に半数の国が、『聖カランコエル皇国』・『天神星』と友好条約を結んでいる。中でも一番の勢力があるのが、ゲーム担当大国『黒神家』だ。
━肝心のゲーム内容は、ズバリ『real-war-game』━
しかし、安心してほしい。戦う相手は人間ではない。発展した軍事国家は、自ら戦わない。自国の技術の結晶を駆使する。分かりやすく言えば、『ロボット』である。国ごとに認識は違う。知能指数の高い『Android』、より人間に近い『Android』など、国ごとの解釈により、様々な結晶がある。中身は大体、皆様の想像通りの管がびっしりのアレだ。
従って簡潔にお話すると、ゲーム内容は『敵国Android破壊計画』だ。如何に相手の戦力を削れるかに掛かってくる。
……特典は、好きな軍服プレゼント!
地球上の軍服から、友好国家の軍服まで選り取りみどりである。コスプレ宜しく、本格的に『戦争』が楽しめる寸法だ。
サポートに現役の兵士がお供するので、安全対策は万全。
こちらの国は、『戦車』や『戦闘機』まで好きにカスタマイズ出来る。
……既にお気づきだろうか。このゲームも、『天神星』のゲームも自国のマンネリ解消対策に他ならない。協力してあげてほしい。
忘れてはならないのが、『クエスト中は、cyber-goggles着用』が義務である。realではあるが、本物の"holography-enemy"も存在する。実用的なものの構造を取り入れて採用しているのが"cyber-goggles"である。
二大大国が参戦する頃には、更に実用性を兼ね備えた"cyber-goggles"の進化したものが提供されるだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます