第4話

 いや、おれもよ、ちょっと調子にのってたんだよ。まさかね、ひょっとしたらとか、思ったりすることもあるわけだよ。何がって? つまり、ひょっとしたら、おれの方が女勇者より強いんじゃないかなと思ったことは何回かあるわけですよ。

 でね、この間、魔族の剣士と戦いになったんだよ。

 いやあ、強かったね。剣が動くの見えないの。マジよ。あの魔族の剣先は見えなかった。おれは死ぬんじゃないかなあと思ったわけだよ。

 それで、まあ、生きている理由なんだけどさ。これがかなり情けないんだけど、女勇者に助けられたんだよ。女勇者に、

「下がってて、戦士」

 とかいわれてさ。おれも、このままあの魔族の剣士と斬り合ったら死ぬと思ったから、下がったんだよ。

 おれがうかつだったよ。てっきり逃げるんだと思った。

 だけど、その魔族の剣士に女勇者が立ち向かったんだな。そして、一刀両断だよ。ばっさりと魔族の剣士を斬り倒した。

 女勇者にまた命を救われたよ。

 やっぱり、おれより女勇者の方が強かったんだね。

 いや、この出来事があるまで完全に勘ちがいしていた。おれのが女勇者より強いと思ってた。おれが悪かった。おれがまちがってたよ。女勇者の方がずっと遥かに強いんだよ。

 おれは女勇者の戦士です。

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